Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

島根訪問 (5)

この4日間で「まずいな」と感じたのは、新型コロナの感染防止のタガが緩んでしまったこと.

この二年半、マスク着用・頻繁な手洗いは大前提で、仕事は自宅勤務、外出は食料品や日用品の買い物のみ.人に会わない、人込みに近寄らないという制約を課し、それをずっと守ってきた.

今回も、新幹線は先頭の座席を予約し、人と接する機会を極力減らそうとした.が、もともと人に会うために出かけたもの.自粛には限度がある.

初日の夜は親戚の人を招いてホテルで会食.なるべく人数を減らしてもらったが、それでも招待客3人.こちらと合わせて6人.こんな大人数で会食をするのは初めて.さいわいテーブルが大きく、向かいの人ともかなりの距離があって助かった.

その後も、親戚を訪ねれば茶菓子が出る、それを断わることはできない.親類の気安さか、マスクを外す人もいる.これも注意はできない.

外食もずっと避けてきたが、食事をしないわけにはいかない.店を選んだり、吟味したりする余裕はなく、適当に飛び込むしかない.混み合っていても、早めに食事を済まし、店を出るぐらいしか自衛の方法はない.

そういう日を過ごしたため、帰宅後もしばらくは、つい「そのくらいいいじゃないか」という気持ちになってしまう.

が、緩んだ日を過ごしたからこそ、また引き締めなければいけない.さいわい、帰宅後10日経つが、自分も家族も体調に変化はない.どうやら無事に旅行を終えられたようだ.

宍道(しんじ)湖

島根訪問 (4)

島根訪問が決まったあと、旅行クーポンの配布が決定された.ホテルは楽天トラベルで予約.楽天トラベルは、予約完了した時点で費用が引き落とされる.数日後、クーポンが使えるがどうしますか? という案内メールが届いた.希望する場合は予約ページでチェックを入れれば自動的に申請され、申請が通れば約40%値引きされるとのこと.もちろんチェック.

数時間後、申請が通った連絡があった.宿泊の際にワクチンの接種記録または検査の陰性証明の提出が必要.ホテルで最終チェックを行ない、OKであればその分の費用を1~2ヵ月後に返金する、という説明だった.

実際には申請が通った時点で返金されていた.予約確認メールにはそのことが記載してあったが、そこまでは目を通しておらず、定価を支払った状態で、ホテルで最終確認されたら1~2ヵ月後に返金と思い込んでいた.

ホテルにて了解をいただいたあと、返金について確認したところ、既に差し引いた金額しか受け取っていないから、返金はないという.こちらは定価を払っているのでクーポン分を返金してもらわないと困る.が、話が噛み合わない.請求金額の明細を発行してもらい、その場は収める.楽天とカード会社に確認をと思い、メールを読み返してみたところ、上記の事情が判明.のちにカードの明細を確認.確かにいったんは定価が引き落とされているが、その数日後にクーポン分が返金されている.

ちなみに、この旅行クーポンは、単に宿泊費が40%値引きになるだけでなく、一泊につき一人3,000円の買い物券と、1,000円の食事券がついていた.買い物券は宿泊日の翌日までと有効期限は短い.旅行中に使えということ.ホテルの売店はもちろん、道の駅の売店など、島根県内のほとんどのお土産物屋が対応しているという.食事券は有効期限は数ヵ月あった.これも県内の多くの飲食店が対応しているとのこと.

食事券は昼食でさっそく消費.ランチは1,000~1,300円くらいのものなので、期間中の昼食はほとんど無料みたいなもの.ありがたみがあった.

買物券の方は、三人で三泊したから合計27,000円.ずいぶんな金額だが、お土産にほしいものがそうそうあるわけではない.ホテルの近くのコンビニも対応していることがわかり、ジュースやお菓子も少し購入したが、荷物になるものは買えない.

コロナ以前は宿泊を伴う出張には頻繁に行っていた.だから荷造りは馴れたもの.スーツケースの中には必要なものをあらかじめ入れてある.USB付きの電源タップ、歯ブラシ、歯磨き粉、髭剃り、ティッシュ、ビニール袋やレジ袋など.あとは着替えさえ入れれば出かけられる.

今回はノートPCを持参することにした.会社から支給されたノートPCは薄くて軽く、持ち歩くのに適していたが、自分のノートは大きくて重い.購入する時に持ち歩くことは想定していなかった.これに電源コードとアダプター.これも重い.これで小型のスーツケースはほぼ一杯になった.

日常使用しているバックパックはそこそこ容量がある.ここに普段使いのものを入れておけばいい.これが出かける時の荷物だが、今回大きな誤算だったのは、訪問した親戚からお土産を山ほど渡されたこと.その上義父は、一人暮らしてこんなにいらないから、お前たち全部持って帰れと、義父の分も受け取ることに.さらにホテルを出発する時に、ホテルからお米と日本酒をいただいた.これで新たに大きな手提げ袋ふたつ分.もう持てない.

買物券で買えるなら、ほしいものはそれなりにあった.実際、多少は買ったのだが、これ以上荷物になるものは避けたい、という制約下での選択をせざるを得なかったのはもったいなかった.

島根訪問 (3)

短期間にずいぶん何人もの親戚筋の人と会った.それなりに友好的な関係ではあるが、お墓のことや、土地のことや、その他もろもろ、話し合わなければならないことも山積み.義父は、これまでも何かあった時には応分のお金を出すなど、できることはやってきたと思っていると思うが、こちらの人たちから見ると、遠くに住んでいることを理由に何もしてくれていない、というように考えている人も少なからずいたようだ.顔を合わせれば責められることがわかっているから、ここへ来るのが気が進まなかったのかとようやく合点した.

しかし、そのような問題があるならなお、このまま会わずに問題を先延ばしにしていると、ますますこじれてしまう.今回で何かが決まったわけではないが、顔を合わせておいたことで今後の調整は格段にやりやすくなったはず.行って良かったのだ.

前週、関東はぐずついた天気が続き、かなり寒かったが、4日間、島根は好天に恵まれた.寒くなるかもとブルゾンを持参したのだが、ブルゾンどころか、日中はセーターを着ても暑く、シャツ一枚で過ごした.10月の島根は神在月.八百万(やおよろず)の神のお恵みがあったのだろう.

島根訪問 (2)

義父の実家には泊まれない.近くに温泉に宿を取り、そこを拠点に行動することにした.

島根へはいろいろな行き方がある.空港もあるし、特急もある.あるところまで新幹線で行き、長距離バスを利用する方法も.しかし、空港は遠い.飛行機も電車も便数は少ない.

義父の説明を聞いて、これは典型的な免許を持っていない人の発想だと思った.広島まで新幹線で行き、そこでレンタカーを借りて島根まで行くことを提案.最初は驚いていた.広島から自動車は距離があり過ぎるとか、運転が大変だとか.距離にして約100キロ、時間にして2時間弱、たいしたことはない.他のどのルートで行くよりも圧倒的に速い.そもそも最寄り駅まで行っても、そこから温泉まで歩いては行かれない.現地で移動するのにも足がいる.それに、新型コロナのことを考えると、新幹線は致し方ないとして、公共交通機関は利用しないで済むならそれに越したことはない.

かくてレンタカー利用となった.これは4日間、大活躍した.

荷物を気にすることなく、どこへでも行かれるメリットは大きい.義父がお土産に炙りわかめを欲しいと言ったが、ホテルの売店には売っていなかった.近所には店は何もない.調べてみると、自動車で一時間ほど行ったところに道の駅がある.そこなら売っているだろうと出かけてみた.道の駅は眺めもよかったし、目当てのものも置いてあった.こうしたことも自動車がなければできなかった.

土地鑑のない場所を人を乗せて走るのは楽ではない.あらかじめ行きたい場所を聞き出し、地図で場所を確認し、ルートを確かめる.近くを走って道路状況の把握に努める.カーナビが頼りだが、あらかじめ行き先を入力しておく必要がある.ホテルに着いてから夕食までの「休憩時間」にそのような作業をしていて、ゆっくり温泉に入る時間がなかった.運転は好きだから、苦にはならなかったが.

使用したのはカローラフィルダーのハイブリッド.総走行距離は523km.ただし最後の給油してから返却まで約3km走っている.それを除くと520km.給油したのは22.3L.燃費は23.3km/L.初めて運転する自動車で、3ナンバーで、常時大人3人を乗せ、山道を走ってこの数値だから、コンパクトカーで、1~2人を乗せ、運転に慣れたら、30km近く行くのか.

給油は返却直前の一回のみ.メーターで見る限りは1/4くらいしか減っていなかった.2,000km近く無給油で走れるというのは魅力だ.特に今回のように知らない場所を走る時は、それだけストレスから解放されることを実感した.


島根訪問 (1)

10月20日~23日に島根を訪れた.いろいろな意味で滅多にない経験だった.

島根は義父の生まれ育ったところ.それなら年に一度くらい帰省してもおかしくはないが、義父は島根へ行く様子がない.数年前に、ちょっと家の様子が見たい、お墓参りがしたい、と漏らしたことがあるが、立ち消えになった.

2020年3月以降は、コロナ禍のため、そもそも旅行に行かれる状況ではなくなった.

一度、島根には帰らなくていいのか訊いたことがあるが、コロナが落ち着いたら……という返事だった.

島根に行くかどうかは義父の問題.自分にはどうでもいい.当初はそう考えていたが、今は元気でも、年齢を考えれば、いつまでも元気ではない.コロナが完全に収まるまでにはまだ何年もかかる.行かれるうちに行っておかないと、行けなくなるのではないか.母を見ていてそう感じた私は、島根行きを薦めることにした.

一人で行くことに体力的な不安を感じているのではないかと、「一緒に行きましょう」と提案.「コロナの感染状況は、今はかなり落ち着いています、今を逃すと、第八派が来るだろうし、寒くなれば風邪やインフルエンザも流行ります、そうなれば次の機会は来年になります……」.その時にお父さんが元気でいる保証はない、という言葉を飲み込んだ.

数ヵ月前から、行くなら今年の10月だと考え、背中を何度か押した結果、「じゃあ、行くか」ということになった.義父にとっては15年ぶりの帰省になる.自分は島根へ行くのは初めてだ.