Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

石原慎太郎逝去

2022年2月1日、石原慎太郎が自宅にて逝去.89歳.

作家として、芥川賞の受賞にとどまらず、数々の話題作、人気作を執筆したが、私は氏の作品を読んだことがない.今後読むこともないだろう.作家としての氏の論評は控える.

政治家としても太く長く生きた.毀誉褒貶の激しい人で、熱烈に支持する人もいるが、私は評価しない.ただし、一回だけ、いいこと言うな、と思ったことがあった。

あれば都知事の四選を果たした時だから、2011年4月10日である.21時のニュース、投票が締め切られ、開票が始まると同時に当確が出た.が、マイクを向けられた石原は、「こういう報道はよくないよ、あんたら考え直した方がいいよ。いくら出口調査かなんか知らないけど、開票を始めたばかりなのにもう当確を出すなんていうのは、民主主義の基本を否定することになるんじゃないの?」と言ったのだ.

常々、出口調査とか、当確とかいうものを腹立たしく感じていたため、これには共感し、膝を叩いたものだった.

有権者が投票した票を、選挙管理委員が粛々と開票する.その結果を待たずに当確を出すのは、選挙全体を軽んじる行為にほかならないのではないか.開票しなくても当確が出るなら、いっそ投票日の朝に当確を出すがいい.そうすれば皆、選挙に行かなくて済む.

石原慎太郎もたまには正しいことを言うのだが、言われた方が、またいつもの石原節かと、全く意に介さず柳に風と受け流していたのが残念だった.