Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

チューリップ50周年ツアー

チューリップが4月から50周年全国ツアーを敢行するという.メンバーは財津和夫(74)、姫野達也(70)、上田雅利(71)、宮城伸一郎(66)+サポートメンバーということになるだろう.自分にとってのチューリップは財津、姫野、上田、吉田彰、安部俊幸の5人なのだが、2014年に逝去した安部が二度と参加することがないのは寂しい.吉田は音楽業界と縁を切って久しく、宮城の方が在籍期間は圧倒的に長い.今やチューリップのベーシストといえば宮城だろうが、吉田は初期のあまりうまくなかった時代から知っている.鼻毛が長いことも、歌手になるために上京した時に福岡に彼女がいたことも知っている.完成されたミュージシャンになってから知った宮城に、吉田と同じような思い入れを持つことはない.

チューリップに限らず、一世を風靡したグループが時を経て再結成、再々結成をすることがある.そこで新曲を披露することもなくはないが、ほとんどは往年のヒット曲の歌唱に終始する.ファンも老いる.今の音楽にはついていけないし、新しい曲を覚える元気もないが、昔の歌なら今でも覚えている、その歌を歌ってほしい、一緒に歌いたいと思う人は多いだろう.自分も、音楽に関しては1980年くらいで進歩が止まっている.

音楽業界は、ニューミュージックの黎明期に引っ張ってきた人たちの多くは、依然として元気で、現役を続けている.小室等(78)、吉田拓郎(75)、小田和正(74)、細野晴臣(74)、井上陽水(73)、泉谷しげる(73)、南こうせつ(73)、山本潤子(72)、高橋真梨子(72)、イルカ(71)、伊勢正三(70)、坂本龍一(70)、さだまさし(69)、高橋幸宏(69)、山下達郎(69).さらに松任谷由実(68)、甲斐よしひろ(68)、桑田佳祐(66)など.加藤和彦大瀧詠一かまやつひろしなど、鬼籍に入ってしまった人もいるが、今のところはわずかだ.

不思議なことに、60代後半から70代に大物がかたまっていて、その下の世代が空白だ.私より10年、20年若い人にとって、陽水拓郎、チューリップにかぐや姫といわれても、全盛期を知らないからピンと来ないのではないか.彼らにとっては誰が大物で、誰に夢中になっているのだろう.私には想像がつかない.

陽水らによるフォーライフ・レコードの設立も、かぐや姫の解散と風の結成も、チューリップの人気沸騰と強気のレコード価格も、リアルタイムで知れたことは本当によかった.良い時代に生まれた.だが、あと10~15年のうちに、今名前を挙げた人たちの多くはこの世を去り、もしくは活動を停止しているだろう.その時に私たちの世代の心にどれほど大きな穴が開くか.