Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

ハー・マジェスティ

二ヵ月近く書かなかった間に起きたことで一番ショッキングだったのは、エリザベス女王が亡くなられたこと.報道では「崩御」という言葉が使われていたが、これには違和感を持った.天皇、皇后、皇太后太皇太后(と上皇)様が亡くなられた時のみに使うべき言葉だと思うから.それにエリザベス女王はとても庶民的でフレンドリーな方だった印象なので、あまり畏まった表現はなじまない.

ビートルズの「ハー・マジェスティ」という曲は、(実質的)ラストアルバムである「アビー・ロード」のラストを飾る曲だが、そこで歌われている女王様が、現在の女王であるQueen Elizabeth IIそのお人であることを知った時は軽いショックを受けた.時代が違うから別人だと思っていた.

その後も長く務められ、節目節目で、まだ続けていらっしゃる、まだお元気だ、と感じていた.

昨年、夫であるエジンパラ公が亡くなられた.99歳.

今年の2月、在位70周年を迎えた.テレビで見る限り、まだ十分元気そうだった.9月には新首相のリズ・トラスの任命式も執り行なった.あとで知れば、在位70周年の時も祝賀行事を欠席したり、首相の任命式も、本来はバッキンガム宮殿で行なうべきところを、滞在先であるスコットランドのバルモラル城からの移動が困難なため、バルモラル城にて行なったりなど、万全の状態ではなくなっていたようだ.

9月9日午前3時、ニュースでその死を知った.96歳.

経歴をざっと調べてみたが、第二次世界大戦フォークランド紛争アイルランドとの和解、スコットランドの独立問題、プレグジットと、当たり前だがまさに英国近代史そのもの.加えてダイアナ妃やアンドルー王子夫妻のスキャンダルなど、家族の苦悩もあった.が、王が彼女であったことで、イギリスはかなり評価を上げたのではないか.

以後、さまざまなエピソードがあちこちで紹介されている.それらをひとつひとつ知るのは楽しい作業だ.一番素敵だと思うのは「「女王に会ったことがありますか?」──エリザベス女王が観光客からの質問に答えた伝説的エピソード」(2022-09-13、Vogue Japan)だ.

亡くなられた途端に、英国の国歌がGOD SAVE THE QUEENからGOD SAVE THE KINGに変更されたのは驚いた.Queen's Englishという言葉も死語になるのか.