義父の実家には泊まれない.近くに温泉に宿を取り、そこを拠点に行動することにした.
島根へはいろいろな行き方がある.空港もあるし、特急もある.あるところまで新幹線で行き、長距離バスを利用する方法も.しかし、空港は遠い.飛行機も電車も便数は少ない.
義父の説明を聞いて、これは典型的な免許を持っていない人の発想だと思った.広島まで新幹線で行き、そこでレンタカーを借りて島根まで行くことを提案.最初は驚いていた.広島から自動車は距離があり過ぎるとか、運転が大変だとか.距離にして約100キロ、時間にして2時間弱、たいしたことはない.他のどのルートで行くよりも圧倒的に速い.そもそも最寄り駅まで行っても、そこから温泉まで歩いては行かれない.現地で移動するのにも足がいる.それに、新型コロナのことを考えると、新幹線は致し方ないとして、公共交通機関は利用しないで済むならそれに越したことはない.
かくてレンタカー利用となった.これは4日間、大活躍した.
荷物を気にすることなく、どこへでも行かれるメリットは大きい.義父がお土産に炙りわかめを欲しいと言ったが、ホテルの売店には売っていなかった.近所には店は何もない.調べてみると、自動車で一時間ほど行ったところに道の駅がある.そこなら売っているだろうと出かけてみた.道の駅は眺めもよかったし、目当てのものも置いてあった.こうしたことも自動車がなければできなかった.
土地鑑のない場所を人を乗せて走るのは楽ではない.あらかじめ行きたい場所を聞き出し、地図で場所を確認し、ルートを確かめる.近くを走って道路状況の把握に努める.カーナビが頼りだが、あらかじめ行き先を入力しておく必要がある.ホテルに着いてから夕食までの「休憩時間」にそのような作業をしていて、ゆっくり温泉に入る時間がなかった.運転は好きだから、苦にはならなかったが.
使用したのはカローラフィルダーのハイブリッド.総走行距離は523km.ただし最後の給油してから返却まで約3km走っている.それを除くと520km.給油したのは22.3L.燃費は23.3km/L.初めて運転する自動車で、3ナンバーで、常時大人3人を乗せ、山道を走ってこの数値だから、コンパクトカーで、1~2人を乗せ、運転に慣れたら、30km近く行くのか.
給油は返却直前の一回のみ.メーターで見る限りは1/4くらいしか減っていなかった.2,000km近く無給油で走れるというのは魅力だ.特に今回のように知らない場所を走る時は、それだけストレスから解放されることを実感した.