Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

山本コウタロー逝去

2022年7月4日、歌手の山本コウタローが脳内出血のため逝去.73歳.

私が山本コウタローを知ったのは1970年.「走れコウタロー」が大ヒットした.歌は好きで覚え、中のセリフも必死で早口の練習をした.ただ、歌っているバンドが「ソルティ・シュガー」という名前だったなんて知らなかったし、「コウタロー」という馬の名前がリーダーの名前から取ったものだということも知らなかった.

それから何十年か飛ぶ.ある時、頭の中に、哀愁を帯びた美しいメロディが流れた.何かの曲のイントロか間奏だと思うが、何の曲だろう、知っているはずの曲だが、思い出せない、というもどかしい状況に陥った.それから数年、そのメロディは時折思い出され、そのたびに悩み、結局わからないまま終わる.そういうことを繰り返した.せっかくの美しいメロディなのに、数小節で終わってしまい、最後まで聞けないのが何より残念だった.

そんなある日、カラオケでどなたかが「岬めぐり」を歌った.その時に「これだっ!」と叫んだ.この曲のイントロだった.「岬めぐり」が、詩も曲もすばらしい、名曲であることは疑いの余地がないが、この曲で最も美しいのはイントロのフルート(よりは音が高い、何の楽器だろう、リコーダー?)のメロディではあるまいか.

山本コウタローについては多くを知っているわけではない.彼が一橋大学を卒業する時、卒論で吉田拓郎を書いたこと.その翌年、山本は吉田由美子と結婚式を挙げたが、その仲人を吉田拓郎・佳子夫妻が務めたこと.吉田拓郎四角佳子と1975年の末に離婚しているので、これが夫婦共同で公的に行なう最後の「仕事」だったかも知れないこと.

結局のところ、自分にとっては「走れコウタロー」と「岬めぐり」の人なのだ.それで十分だ.