Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

大江健三郎逝去

2023年3月3日、大江健三郎が老衰のため逝去.88歳.

芥川賞谷崎潤一郎賞川端康成文学賞、そしてノーベル賞の受賞作家.名前はよく知っているが、作品を読んだ記憶がない.調べてみると「見る前に跳べ」という著書を持っていた.買ったのは学生時代だろう.読んだはずだが覚えていない.高校では教科書に作品が載っていたはずだが、印象に残っていない.

物心ついた時に川端康成が日本人として初のノーベル文学賞を受賞.当代の日本を代表する作家であると崇め奉られていた.中学生になって、そんなにすごい作家ならと、「雪国」をはじめいくつか読んでみたが、さほど面白いとは思わなかった.星新一の方がよほど面白いじゃないか、と思った.

老人と海」を手にしたのも同時期.これはノーベル賞受賞作品、面白くないわけがない、面白くないとしたら、自分が幼くて面白さが理解できないのだ、と思いながら読んだ.が、退屈で、短い作品なのにいつまでたっても読み終わらない.「かもめのジョナサン」はあっという間に読み終えたのに.

この頃から、自分にとっては、自分が面白いと思った作品がよい作品であり、世間がどれほど高く評価しようとも、自分が詰まらないと感じたものは詰まらないのだ、と徐々に感じるようになった.そういう意味では、川端康成やヘミングウエイは、脱皮させてくれた作家だとも言える.大江健三郎も同傾向.

昭和を代表する作家という印象が強かったが、ノーベル賞の受賞は1994年、平成6年だった.