Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

歌手業と役者業

薬師丸ひろ子は1981年、映画「セーラー服と機関銃」の主題歌を自ら歌って大ヒット.以後は「探偵物語」「メイン・テーマ」「Woman "Wの悲劇"より」と立て続けにヒットさせ、一躍人気歌手の仲間入りを果たした.透明感あふれる歌声は多くの人を魅了し続け、現在に至っている.

もともと声がきれいだし歌もうまいが、特に俳優であることで、歌詞に気持ちを乗せるのがうまく、歌手専業の人とは違うという.

それはそうかも知れないが、逆に言うと、歌を歌って人を魅了するには、単に声がきれいで音程が確かであるだけではダメ、相当な演技力が必要になるということ.となると、歌手として一流の人は役者としても一流になれる、とも言えるのではないか.

私は、山口百恵は歌がうまいと言うより、演技力がものすごくて、そのため歌を「聴かせられる」のだと思っていた.その後、ドラマや映画に出演して成功したのを見て「やはり」と思った.大河ドラマ風と雲と虹と」(1976年)を見た時は、森昌子が出演していたのは気にしていなかったが、後年、DVDをレンタルして一気視聴した時に、彼女が好演していてへえーと思った.

2020年の大河ドラマ麒麟がくる」には石川さゆりが出演.石川さゆりが役者業をしていたとは知らず、驚いたが、見事な演技だった.なおこのドラマでは、若き日の十兵衛とその母・牧との絡みをていねいに細かく描写していたから、これは終盤で、織田信長の約束違反で牧が殺される(それが本能寺の変の大きな理由となる)ところを描くと思ったら、いつの間にかいなくなって終わりだったのは残念だった.もっとも、新型コロナのために放映回数が大幅に減ってしまったから、「やむ落ち」したのかも知れないが.

伊藤蘭松田聖子小泉今日子など、アイドル歌手として人気がありながら、役者としても実績を残している人は何人もいる.

もちろん、役者をやってみたもののパッとしなかった人や、役者業に無縁だった人も多い.歌手が必ず役者になれるわけではない.向き不向きはあろうというものだ.

天地真理がポルノ映画に出演したのはお金に困ったからだそうだ.伊藤咲子今陽子畑中葉子らの映画出演はどういう理由だったのだろうか.

昨年の朝ドラ「カムカムエヴリバディ」で見事な演技を披露した川栄李奈松村北斗、今年の大河「どうする家康」の松本潤岡田准一らも、本来は歌手.もっともこうした人たちは、歌唱力を評価されているわけではない.ジャニーズ系やAKB系の人は、少しでも演技のできそうな人はどんどんドラマや映画にも出す、という方針の中で存在感を示し、役者として演技力に磨きをかけていったというところだろう.