Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

初めて読んだ英語の本

初めて読んだ英語の本は、Erich SegalのLove Story(邦題「ある愛の詩」).高校生の時だ.邦訳を読んで、話は面白いけど訳が酷いと感じ、原文はどうなのか知りたくなったのだ.Amazonなどない時代だから、紀伊国屋書店本店の洋書コーナーへ行ったり、神田の古書店街を回ったりした.結局どこで手に入れたのだったかな.紙が硬くてあまり読みやすくないペイパーバック版.$1.25のシールが貼ってあるが、手数料が乗って、日本円ではずっと高かったはず.

地の文は大半を読み飛ばしているが、会話が多い.日本語の訳文に比べてよほど短く、リズムがあって、センスがいい.日本語訳は酷いと書いたが、これを日本語に移すのは難しい.必ずしも翻訳者が悪いわけではない.

本書の中で最も印象的なシーンは、ジェニーの病気を知ったオリバーが、「パリへ行きたい」という積年のジェニーの夢を叶えるべく、パリ行きのチケットを買って帰宅する場面だ.

Ol : Guess what, Mrs. Barrett?
Jen : You got fired.
Ol : No. Fired up. Tomorrow night is Paris.
........
Jen : I don't need Paris. I don't want Paris. I just want youー
Ol : That you've got, baby!
Jen : And I need time, which you can't give me.

後半は、自分が不治の病に罹っていることを知ったジェニーの悲痛な言葉だが、最初の "Guess what?" はなんてお洒落なセリフだと感じたもの.43年経って、これが「ラジオ英会話」のKey Sentenceに採りあげられるとは、感慨無量だ.