日本プロ野球のホストシーズンも熱い戦いだった.
パ・リーグは、2位のファイターズがマリーンズ相手に初戦を落とすものの、その後連勝して第一ステージを勝ち抜いた.伊藤大海を温存する余裕すらあった.ホークスとファイターズはレギュラーシーズンでは実に13.5ゲーム差がついたが、両者の対戦成績は五分五分.後半戦に関してはファイターズの方が分が良かった.ファイターズ有利かも、と思ったが、体勢を立て直して臨んだホークスには歯が立たず、三連敗.終わってみればホークスの圧勝だった.
セ・リーグは、3位のベイスターズが2位のタイガースに連勝して第一ステージを勝ち抜いた.その直前に岡田監督の退任が発表されたのは、なんとも間が悪かった.監督に有終の美を飾ってもらおう、と考える人もいるだろうが、次の監督は誰かを気にしていたら、目の前の勝負に集中できないのではないか.
そのベイスターズは勢いを駆ってジャイアンツ相手に三連勝で王手をかけた.しかしさすがにジャイアンツもやられっぱなしにはならない.二連勝してタイに持ち込む(アドバンテージの一勝があるため三勝三敗).21日の第六戦は、経過だけ見ようと思ってテレビを点けたが、目が離せなかった.
初回裏、二死一二塁でヘルナンデスのショートゴロを森が悪送球しジャイアンツに先制点が入る.4回裏、坂本が左中間を抜ける二塁打を放つと、続く中山のレフトフライでなんと三塁にタッチアップ.岸田四球で一三塁となったあと、投手戸郷は2ストライクからスリーバントスクイズ.35歳の坂本、よく走った.焦った(?)ベイスターズは打者走者もアウトにできず.ただしその後はダブルプレーで後続を断つ.
5回、梶原がヒットで出塁すると、森はタイムリースリーベース.さらに代打フォードのタイムリーで同点に.しかし送りバントのあとは牧、佐野が凡退し、2点止まり.
その後は両チームに好プレーが続出.引き締まったいい試合だが、点が入らず、ゼロ行進が続く.
この試合、勝った方が日本シリーズ出場だが、実は引き分けでもジャイアンツは日本シリーズへ出場できる.ベイスターズはなんとしても1点を取らなければならない.8回表は菅野が登場した.まさかリリーフで出て来るとは思わなかった.さすがにすごい球で、ベイスターズは手が出ない.菅野が出てきたらもう打てない、と思った.
そう思ったのは自分だけで、ベイの選手はそうは思わなかったようだ.9回、先頭の森がヒットで出塁すると、バントと内野ゴロで三進.そして牧が執念のヒットで1点をもぎとった.これが決勝点になった.その裏、門脇、丸、岡本が凡退しゲームセット.
ベイスターズは好きなチームなので、この試合に関しては勝ててよかったが、やはり1位から11.5ゲーム差の3位チームが日本シリーズに出場するのはおかしい.日本シリーズが日本一を決める戦いであるなら、両リーグの優勝チームが出て来るべきだ.今回負けたジャイアンツが大人しく引っ込まず、「こんなのはおかしい! クライマックスはやめるべきだ!」と騒ぎ出さないだろうかと、実は少し期待している.