2026年3月3日、漫画家のつげ義春が誤嚥性肺炎のため逝去.88歳.27日に筑摩書房からtwitterにて発表された.
漫画界のレジェンドであり、最後の大物.ニュースでもかなり大きく扱われ、SNSでも弔意を表する投稿が相次いだ.ちばてつやより年上の漫画家でご存命の方といえば、わたなべまさこ(96歳)、針すなお(93歳)、牧美也子(90歳)、篠原とおる(89歳)、つのだじろう(88歳)、東海林さだお(88歳)といったあたり.この中では一番の大物だったかも知れない.
自分も「ねじ式」は好きだ.それ以外の作品もそれなりにいいとは思う.が、正直なところ、なぜここまでもてはやされているのか、理解できない.
活動期間が短い.「ねじ式」「沼」「ゲンセンカン主人」といった作品は1960年代後半の数年間に発表されたもの.1970年代以降はほとんど作品を残していない.ところが、ある時期から、それらの作品は非常にブンガク的でありコウショウだと評されるようになった.新たな作品を発表しないことも、「過去の作品を上書きしない」という点でこの傾向を助長したように思える.
若い時に優れた短編をいくつか発表し、その後消えていった漫画家は大勢いる.つげ義春だけが歴史に残ったのは、運命のいたずらとでもいうべきか.永井豪が「真夜中の戦士」「すすむちゃん大ショック」ほかいくつかの短編を残すのみで、「ハレンチ学園」も「あばしり一家」も「デビルマン」も「マジンガーZ」も「バイオレンスジャック」も描かなかったら、つげ義春のように神格化されたか.そうはならなかっただろう.私は「真夜中の戦士」「すすむちゃん大ショック」は「ねじ式」「ゲンセンカン主人」と同等以上の傑作だと思うが.
本人も、ギャップに苦しんでいたとも言われる.「ねじ式」は佳品ではあるが、過度な賛美は避けたい.
