Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

大谷翔平、本塁打記録を更新

大谷翔平は、21日(日本時間22日)、ドジャースタジアムで行われたメッツ戦の第二打席で今季5号を放った.これはメジャー通算176号.松井秀喜の持つ175号を抜き、日本人の最多本塁打記録を更新した.

175号到達は、松井は10年、4970打席だったのに対し、大谷は7年、2941打席.しかも投手として38勝を挙げている.松井が「私の数字と比較する必要はありません」とコメントを出したが、これは本音だろう.

チームは10-0で快勝。連敗は3でストップ.

大谷はこの日三打数二安打一四球。今季通算は95打数で35安打(一位)、11二塁打(一位)、5本塁打(9位)、13打点、19得点(5位)、5盗塁(10位)、打率.368(一位)、OPS1.094(二位)と、すごい数字.まだシーズンが始まって一ヵ月だが、これまでの7年間で最もよい成績だ。

年齢的に最も脂の乗った時期でもあるのだろうが、投手のリハビリ中で、打撃に専念できていることも大きいのではないか.ドジャースへの移籍、大型契約を経ての本人のやる気、チームメートもよく打つことから刺激を受けていることや、チームがナ・リーグ西地区の一位を維持している*1ことなど、モチベーションアップの理由はさまざまあろう.とはいえ、春先にはショックな出来事もあったのに、その影響を微塵も感じさせないメンタルの強さには舌を巻く.

インタビューで次の目標を訊かれた大谷が「監督の記録を抜きたい」と答えたのは笑った。これは少し前に話題になったが、「日本人のドジャース選手」の(ドジャースでの)通算本塁打は、野茂英雄が4本、前田健太石井一久が1本.ただし監督のデーブ・ロバーツは、日本のプロ野球での選手経験はないものの、沖縄出身であることから「日本出身のドジャース選手」とすると彼が7本で一位になるもの.あと3本打つとこれを上回ることになる.まあ、今月中にも達成するだろう.


*1:ドジャースは勝ったり負けたりで、快進撃をしている印象はないが、ここまで24試合で13勝11敗、勝率.542で西地区一位である。パドレスが0.5ゲーム差で続いている。なお.542という勝率は、東地区なら4位、中地区でも4位に相当する。

ソウルシリーズ 一日目

ロサンゼルス・ドジャースとサンディエゴ・パドレスとの開幕戦は韓国のソウルで開催されることになった.MLBの世界戦略の一環で、2019年3月にはシアトル・マリナーズオークランド・アスレチックスの開幕戦が日本で開催されたこともある.パドレスにはダルビッシュ有松井裕樹が、ドジャースには大谷翔平と山本由伸が在籍する.

パドレスダルビッシュの先発で試合開始.ダルビッシュは3回2/3を投げ、被安打2、与四球3、奪三振3、失点1、自責点0。松井裕樹も6回に登板、2/3を投げ、被安打0、失点0。

7回終了時点で2-1でパドレスがリード。大谷もヒットを打ったし、明日は山本が投げてドジャースが勝つから今日はパドレスの勝ちでいいなと思っていたが、8回にドジャースが一挙4点を取って逆転。5-2でドジャースの勝利。

大谷翔平は、5打数2安打1打点1盗塁。初日からヒットが出て打点も記録した.ダルビッシュは悪くなかったが、もう少し投げるところを見たかった.

タイムスリップ・コレクターになれたら

あの時代に戻って、あれが入手できたらなあ、と思うことがある.過日「タイムスリップ・コレクター」という漫画を読んで改めて感じた(タイムマシンで過去へ戻り、現在では入手できないものを購入してくる人の行動を描いた作品).

転売して儲けたいわけではない.自分が触ったことのないものには食指が動かない.それでも、かなうものなら手に入れたい.せめて、もう一度だけでも読み返したい、と思う本がある.

集英社刊「なぜなぜ理科学漫画」

  1. ひらけいく宇宙
  2. やさしい天気教室
  3. 生きている地球
  4. 植物の世界
  5. 動物の王国
  6. 虫の国をたずねて
  7. 魚・貝のふしぎ
  8. 鳥の博物館
  9. 人体の神秘
  10. 光・音・熱の魔術師
  11. 機械の実験室
  12. 自然と原子の驚異


小学生の時、10巻までは買い揃えてもらってボロボロになるまで読んだ.自分の自然科学への興味・関心はこの本によって培われたと言っても過言ではないほど.本が古くなり、また大きくなっていつまでも漫画ではなかろうということで、どこかの時点で捨て(られ)たのだろう.その時は惜しくはなかった.

年を経て、断片的に記憶に残っているページや解説を思い出すたびに、もう一度読み返したい気持ちを抑えることができない.「自分はこうやって勉強して来た」という足跡をたどりたいのだ.復刊ドットコムにも名前が挙がっており、復刊を熱望する人がそれなりにいることがわかる.現在の基準では内容が恐らく間違いだらけなので、若い人には読ませたくない.出版社が復刊に否定的なのは、恐らくそれも理由なのだろう.

集英社刊「学習漫画日本の歴史」

これは全巻は持っていなかった.揃えたのは平安時代から江戸時代までだったか.正直なところ、作画はイマイチ(絵そのものはうまいのだが、キャラクターの描き分けができていないため、みんな同じ人に見えてしまうのが困る).また漫画といいつつ、やたらと文章量が多く、読みにくい.上述の「なぜなぜ理科学漫画」と比べれば、のめり込むほど読み込んだわけではないが、それは作品の質の違いではなく、自分自身の興味が、歴史よりも自然科学に向いていたためかも知れない.

「オン・ステージ第II集」(エレックレコード)

音楽に関しては、書籍ほどではないが、どうしてもほしかったものがあることはある.よしだたくろうの「オン・ステージ第II集」だ.

このライブアルバムの魅力は、他のアルバムやシングルと重複する曲がほとんどないこと.唯一「人間なんて」だけはアルバム「人間なんて」に収録されているが、アルバムのタイトルにもなっているくせに、収録されているのはショートバージョン(しかも腹の立つことに、歌詞カードにはロングバージョンが記載されていた).たくろうはスタジオ録音もよいのだが、ライブでこそ映えるミュージシャンだ.それは「ともだち」や「ライブ'73」を聴けばそう思う.1971年の生のたくろうを聴いてみたいと思うのは、ファンなら当然だ.

そう思い、レコード店へ行っては手に取って、中を見たりジャケットを眺めたりしてはため息をつき、そして棚に戻すという作業を何回したことか.馴染みの店主から「間もなく買えなくなるから、欲しいなら買っちゃった方がいいよ」(エレックが倒産したため)と言われていたが、二枚組で3000円は、当時中学生だった自分にはとてつもなく高価で、おいそれと手が出るものではない.結局買えないまま店頭から姿を消してしまった.至極残念ではあったが、仕方がないことというのは世の中にはたくさんあるのだ.

井上陽水吉田拓郎、チューリップなど、当時ほしかったけれど買えなかったアルバムは、大人になって懐が豊かになってからCDを買い漁った.しかし「オン・ステージ第II集」はいまだCD化されていない.

でも、もしタイムマシンで1974年に戻り、さあ今ならレコードが手に入りますよと言われても、どうするかな.レコードが手に入ってもレコードプレーヤーがないから、どうせ聴けないし.

過去記事


自炊は命を救う

大学入学と同時に一人暮らしの自炊生活が始まった.これまでは、食事というのは家で摂るものであって、外食の機会は滅多になく、特別感が強かった.これからは好きな時に外食ができる.なんだか生まれて初めて「自由」を手にした気がした.

学食が昼だけでなく夜もやっていたのはありがたかった.種類が豊富な上に安い.随分とお世話になった.大学の周辺には学生向けの安くてボリュームのある定食屋が何軒もあった.こうした店もよく利用した.そして大学生になると「飲み会」というものがある.高校時代まではなかったもので、食生活はずいぶんと彩り豊かになった.

こうした生活を送って実感したのは、健康な時は何でも食べられても、体調を崩すと、外食はもちろん、弁当や総菜なども受け入れられなくなるということだ.味が濃すぎる.硬すぎる.あるいは安物の油で吐き気がする.今ならスポーツドリンクを常備する手があるが、当時は、スポーツドリンクはスポーツをして汗をかいた時に飲むもので、体調の悪い人が栄養補給のために飲むという発想はなかった.

体調が悪くなる時は、たいてい前兆がある.くしゃみが出るとか、背中がゾクゾクするとか.あ、明日は風邪を引きそうだ.そう感じたら、体力があるうちに野菜スープを作った.家に食材があれば、体調が悪くなってからでもできなくはないが、買い物に行くとなると体力があるうちでなければできない.必要な肉や野菜を買ってきて、鍋に入れて柔らかく煮込む.鍋一杯に作ると二、三日は保つ.これができたらバタンキュー.あとは、お腹が空くたびにこれを食べる.食べきる頃には元気になっている.

こういう料理が自分でできるのはありがたかった.この能力があるかどうかで、大げさではなく、生死を分けると思った.

過去記事


自炊は安いというけれど

現在は食事はほとんどを自炊している.懐に十分な余裕があれば、もう少し外食を増やしたいと思うが、外で食べると何しろ高い.定食のような食事でもそう.まして「おいしいもの」となると、今の自分には手が届かない.

自炊と外食はどちらが安いか、話題になることがある.「自炊は安いと思い込んでいる人が多いが、こういう風にすれば外食の方が安いよ」というライフハック的な話が注目を集めたりする.あるいは、「あの人は金がない金がないと言いながら毎日外食している、だからお金が貯まらないのだ」という声に賛成意見が集まったりする.

料理にかける時間を節約するため、あるいは、自分ではできない食事をするために利用するのが外食なので、フェアに比較をするならば、その手間の分だけ外食は高くつくはず.ただし実際はそう単純ではない.

何年も前の話だが、勤め先が新たに営業所を開設した.オフィスは商業利用を前提とした物件ではなく、個人住居用のマンションの一室.そのため、広いキッチンがある.それを見た時に、ここで料理ができるな、と思った.

弁当を持ってこなければ、近くの定食屋まで食べに行くか、コンビニで弁当等を買ってきて席で食べることになる.手軽でいいが、毎日だと結構なお金がかかる.たまに自分で作れば安く食べられるではないか.たとえインスタントラーメンでも、カップラーメンより袋ラーメンの方が圧倒的に安い.その上、火を通す分美味しいと思うし、ちょっと野菜や卵でも入れればたいそうなご馳走になる.

まずはラーメンから始めようかと真剣に考えたのだが、そのためには包丁にまな板、鍋、お玉、菜箸、丼が必要になることに気付いた.ご飯を炊くなら炊飯器がいる.パンを焼くならトースターが必要.これらを全部揃えると結構な費用になるが、会社には請求できない.他の社員に協力をお願いすることも難しいだろう.といって、自腹も切れない.というわけで、あっさり諦めたことがあった.

自炊は初期費用がかかる.毎日料理するならあっという間にペイできるが、その初期費用を用意できない人にとっては、割高でも外食を続けるしかないのだ.

もちろん、ある程度の料理の腕があることは大前提.料理ができない人に、自炊という選択肢はない.人によっては「料理の腕を身につける」ことに多大なコストがかかるのだろう.