Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

卓球女子 五輪へ向けて

全日本大会の結果、パリオリンピックのシングルに出場するのは早田と平野の二名がほぼ確実となった.団体戦に出場するもう一人は協会が選出する.1月30日の記事で次のように書いた.

三人目の選手は、協会が選出する.五輪ポイントの三位は伊藤美誠なので、普通に考えたら伊藤だろう.過去の実績も問題なし.一方、張本の急成長には目を瞠らされた.現時点での勢いは張本にある.私は、張本を選ぶ方がいいと思う.若くて怖いもの知らずの選手が混じっていた方が、チームに勢いが出る.8年前の伊藤美誠のように.

果たして張本美和が選ばれた.良い判断だ.発表直後、伊藤が「リザーバーに選ばれても断わる」意味の発言をしたらしい.恐らく「団体戦は張本選手に決まりましたが、今のお気持ちを」と問われて答えたのだろう.五輪に落選した直後の伊藤に訊きに行くとは心ない取材だが、人気選手だから訊かれるのはわかっていたはず.もう少し答えようがあるのでは、とは感じた.

ところで「わしろぐ」を読んでいたら、水谷が伊藤を弁護したらしい.いわく、卓球はケガをほとんどしないから、補欠が試合に出ることはない.リザーバーの役目は練習相手だが、伊藤選手はバックに異質なラバーを使うため、練習パートナーに向かない.伊藤選手が、自分はリザーバーには向いていないと言ったのは、そういう意味だろうと.

なるほど.

自分は別の意味で伊藤はリザーバーには不向きだと考える.リオデジャネイロ(2016年)の団体戦出場選手は福原、石川、伊藤でリザーバーは平野.東京(2021年)の団体戦出場選手は石川、伊藤、平野でリザーバーは早田.リザーバーは次の五輪出場を目指す、五輪出場未経験者の役割だと思える.リザーバーという形で出場選手に帯同し、五輪の雰囲気をつかむ(選手としてではないが、経験を積む)と同時に、自分が出場できないことに悔しさを感じ、次のオリンピックこそはと闘志を燃やす場であってほしい.

SNSでは、東京五輪では早田がリザーバーとして伊藤らのメダル獲得を支えたのだから、今度は伊藤が早田らを支えてほしい、という意見を散見した.リザーバーはそんなカッコいいものではないと思う.選手の荷物持ちだってしなければいけない。金メダリストにそういうことをさせるべきではない.

パリ(2024年)の団体戦出場選手は早田、平野、張本.リザーバーは、ロサンゼルス(2028年)でエースの期待がかかる木原か長崎であってほしい.

過去記事

本の処分(2024年2月)

以前に比べると、本を手放す敷居が下がって来た.一冊よしとすると、それならこれも、これを捨てるならこれもと、どんどん出て来る.

鷺沢萠は、一時期は好きで、色々集めたが、心から面白いと思える作品はなかった.なぜ好きになったのかは、今となっては謎.顔に惹かれたのかも知れない.

栗本薫も、一時期は好きで、ずいぶんいろいろと買い集めた.夢中になって読んだ本もあったし、SF作家としては小松左京より上ではないかと思った時もあった.まあ本自体が古く、汚れてきたから、限界だろう.

「二流の愉しみ」はkindleで買い直した.山本夏彦は、週刊新潮に連載していた写真コラムを再読したいが、kindleでは出ていない.

「さよなら渓谷」「バイロケーション」「酔いが醒めたら、うちに帰ろう」「凶悪」「白ゆき姫殺人事件」などは、映画を見て面白かったため原作本を買ったパターン.いずれも映画は面白かったが、原作を二度読むことはないだろう.



過去記事


大谷翔平が結婚

今日もいろいろなことがあった.個人的にも、世の中でも.しかし、大谷翔平の結婚にすべてを持っていかれた感がある.

2月29日、大谷翔平がインスタグラムで結婚したことを発表.そのニュースが流れて来た時には、何かの悪戯かフェイクニュースの類だと思った.彼が結婚するとは全く想像していなかったからだ.浮いた噂がひとつもなかったし、大谷くんなら、女性とデートするより練習を優先させるような気がしたのだ.結婚は、引退を考えるようになった時で遅くはないと.

知り合いの中には、犬のデコピンが最初に登場した時に、大谷くんには隠したいことができたんだな、と言っていた人がいた.また今回「全く予想外だった」とある人に言ったところ、「リハビリ中はともかく、キャンプが始まったらずっと家を空けるんだから、一緒に暮らす人がいなければ犬なんか飼えない。あの時結婚したんじゃないか」と言われた.確かにその通り.わかる人は察していたようだ.自分はまるで気づかなかったが.

相手のことは、現時点では日本人であること以外はわからない.明日になれば取材に応じるようなので、追加情報が出て来るかも知れない.注目を集めるのは致し方ないところだが、羽生結弦の例もある.節度を弁えた報道であってほしいと願う.

2月29日は4年に一度しかない.何かの記念日ではないが、ちょっと特別感がある.大谷はそれを狙って、この日の発表となったのだろうか.


吉田彰逝去

2024年2月16日、チューリップの初代ベーシスト、吉田彰が逝去.75歳.1月19日に上田雅利twitterにて公開した.共同通信によれば噴門食道接合部癌とのこと.

チューリップのオリジナルメンバーは普通は財津和夫、吉田彰、安部俊幸姫野達也上田雅利の5人を指す.アマチュア時代を含めて考えれば財津和夫と吉田彰こそがオリジナルだ.財津と吉田の友情からチューリップは生まれた.

メンバーは皆それぞれに魅力的だが、吉田には強く惹かれるものがあった.吉田と上田が脱退したのを機に、チューリップを追いかけるのをやめた.ほどなくして安部と姫野も脱退し、第一期のチューリップはバラバラになる.脱退の理由は報道されなかったはず.何処かで誰かが何かを語っているかも知れないが、自分は知らない.

ただ、安部、姫野、上田に関しては、その後の行動を見れば想像はつく.安部と姫野はオールウェイズを結成し、その後上田が合流.財津と目指す音楽性の方向がずれてきたのだろう.一方、吉田は音楽界から足を洗い、姿が見えなくなった.「一生を音楽業界に捧げられるほど、自分にはミュージシャンとしての才能はない」と悟ったのではないか、などと勝手に想像し、残念に思っていた.

ずいぶんあとになって、喫茶店を経営していることを知った.一度行ってみたかったが、ミュージシャンを辞めたということは、チューリップのファンが訪れるのは迷惑かも知れない、とも思い、やめておいた.その後、店を畳み、コーヒー豆の販売を行なっていると聞いた.自分が知っていたのはそこまで.チューリップの度重なる再結成にも加わることがなく、ゲストで呼ばれることもなかった.他のメンバーと絶縁しているのでは、などと悪い想像が広がっていた.

今回の報道を見ると、吉田の死の知らせが、恐らくは家族からメンバーにあり、それをファンにいつ公表するかメンバー間で話し合いがなされ、ステージで財津がその話をし、それを受けて上田がtwitterで一般公開した.吉田と他のメンバーがちゃんと連絡を取り合っていたことに安堵した.

いろいろ調べてみると、吉田の運営していた珈琲店のWebサイトはまだ残っており、今月の頭まで更新されていた.「2月20日(火)はよしだ屋珈琲店の開店記念日です」とある.これを書き込んだ正確な日付はわからないが、この時はお元気だったのだ.

さらにいろいろ見ているうちに、10年以上前から自作の曲をYouTubeに盛んに投稿していたことを知った。珈琲店の経営を続ける中でさまざまな「いい話」「いい出会い」があり、それを歌にしたのだという.彼は音楽をやめてはいなかったのだ.最新のアップロードは1月14日、つい最近だ.

さっそく聴いてみる.あの懐かしい、温かい吉田さんの声だ.ベース以外の演奏は誰がやっているのだろう、すべて自分でやっているのだろうか、それとも「仲間」がいるのか.かなりの腕だ.素人ではないだろう.アレンジも素晴らしい.チューリップらしくはないが、吉田さんらしさをそこかしこに感じる.

人間は死んでも音楽はいつまでも残る.吉田彰さん、僕はますますあなたのファンになりましたよ.

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君のために生れかわろう

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メクボールとホスピタリティ

某月某日、西友ストアへ買い物に行った.レジで支払いを済ませ、サッカー台へ異動.メクボールを使おうとしたら、カサカサに乾いていた.使い切ったか、蒸発してしまったのだ.本来は水を入れるべきところだが、コロナ以降、西友ストアではアルコールを入れている.そのため揮発するのも早いのだろう.

これだとポリ袋の口を開けられない.世の中のすべてのスーパーにメクボールがあるわけではなく、備えていない店でもなんとかしているわけで、メクボールが使えないからといって世界の終わりではない.時間がかかるだけだ.紙パックの牛乳などを購入していれば外側に水滴がついていることもあるが、あいにくそういう品物は買っていなかった.

周辺にはたいてい店員さんがいる.その人の手が空いていたらお願いしよう、と探してみたら、別の客の対応中だった.その様子を眺めながら、どうしたものかと思っていたら、店員さんと目が合ってしまった.

(申し訳ありませんが、このお客様が終わり次第、お伺いしますので、少しお待ちいただけますか?)

目がそう言っている.そう言われたらこちらも

(わかりました)

と返すしかない.用事が済むまでしばし待つ.

しばらくしてやって来た店員さんに事情を話すと、「申し訳ありませんでした!」と言ってすぐに補充してくれた.お礼を言って袋詰めを再開した.

やっぱりメクボールは便利だな、と思いつつも、このくらいのことで店員さんを呼ばなくてもよかったかも、という気持ちも湧いて来た.

袋詰めを終え、店を出ようとしたところで先ほどの店員さんがまたやって来た.「他のを確認したところ、どれも切れていました.お陰様で、全部に補充することができました.教えていただいてありがとうございました」.

これは嬉しかった.この人は、私に言われたことの対応をしただけでなく、併せて他のメクボールの確認もしたのだ.そうするように言われているのかも知れないが、忙しい時にはなかなかできないことだ.

それだけでも立派だが、それを私にわざわざ教えてくれた.私は、忙しい時に余計なことを言いつけて、悪いことをしたかな、とちょっと考えたりしていたので、罪悪感が吹っ飛んだ.私のためだけでなく、ほかのすべてのお客様のために、申し立てをしたのはよかったことなのだ.

荷物は重いが気持ちは軽くなった.


Anna ArmbrustによるPixabayからの画像