Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

自炊は安いというけれど

現在は食事はほとんどを自炊している.懐に十分な余裕があれば、もう少し外食を増やしたいと思うが、外で食べると何しろ高い.定食のような食事でもそう.まして「おいしいもの」となると、今の自分には手が届かない.

自炊と外食はどちらが安いか、話題になることがある.「自炊は安いと思い込んでいる人が多いが、こういう風にすれば外食の方が安いよ」というライフハック的な話が注目を集めたりする.あるいは、「あの人は金がない金がないと言いながら毎日外食している、だからお金が貯まらないのだ」という声に賛成意見が集まったりする.

料理にかける時間を節約するため、あるいは、自分ではできない食事をするために利用するのが外食なので、フェアに比較をするならば、その手間の分だけ外食は高くつくはず.ただし実際はそう単純ではない.

何年も前の話だが、勤め先が新たに営業所を開設した.オフィスは商業利用を前提とした物件ではなく、個人住居用のマンションの一室.そのため、広いキッチンがある.それを見た時に、ここで料理ができるな、と思った.

弁当を持ってこなければ、近くの定食屋まで食べに行くか、コンビニで弁当等を買ってきて席で食べることになる.手軽でいいが、毎日だと結構なお金がかかる.たまに自分で作れば安く食べられるではないか.たとえインスタントラーメンでも、カップラーメンより袋ラーメンの方が圧倒的に安い.その上、火を通す分美味しいと思うし、ちょっと野菜や卵でも入れればたいそうなご馳走になる.

まずはラーメンから始めようかと真剣に考えたのだが、そのためには包丁にまな板、鍋、お玉、菜箸、丼が必要になることに気付いた.ご飯を炊くなら炊飯器がいる.パンを焼くならトースターが必要.これらを全部揃えると結構な費用になるが、会社には請求できない.他の社員に協力をお願いすることも難しいだろう.といって、自腹も切れない.というわけで、あっさり諦めたことがあった.

自炊は初期費用がかかる.毎日料理するならあっという間にペイできるが、その初期費用を用意できない人にとっては、割高でも外食を続けるしかないのだ.

もちろん、ある程度の料理の腕があることは大前提.料理ができない人に、自炊という選択肢はない.人によっては「料理の腕を身につける」ことに多大なコストがかかるのだろう.