Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

宇都宮ライトレールが開業

2023年8月26日、栃木県に宇都宮ライトレールが開業.宇都宮駅と芳賀・高根沢工業団地を結ぶ、約15kmほどの路面電車だ.

終点駅「芳賀・高根沢工業団地」は「本田技研北門」と仮称が付いていた.このエリアは本田技研工業(四輪)の大きな研究所がある.私の以前の勤め先のお得意様であり、自分の担当顧客だった.何度も訪問した.少なくとも100回はくだらないだろう.

宇都宮までは新幹線で行く.東北新幹線が大宮発だった時代は少々面倒だったが、東京発になってからは楽なもの.問題は宇都宮から.

普通はタクシーを利用する.乗車時間は、日中だと30分くらい.短い距離ではない.訪問先が一ヵ所ならいいが、複数個所の場合、部署から部署に移動するのにもタクシーを呼ぶことがある.門のところに何台か待機しているため、待ち時間はほとんど発生しないが、タクシー代が嵩む.それで、レンタカーを借りることも多かった.借りたり返却したりの手続きは若干面倒だが、費用は往復のタクシー代より少し安い.何ヵ所かを回って訪問するなら確実に安い.

費用はレンタカーの方が安いが、運転中は何もできない.タクシーだと、その間に資料を読んだり、メールをチェックしたり、電話をかけたりでき、時間が有効に使える.特に電話は、新幹線の中ではやりにくい(新幹線のデッキは騒音がすごく、電話で話すのは苦労する).そういう意味ではタクシーにはタクシーのメリットがある.

タクシーでもレンタカーでも、行きはよいのだが、帰りにうっかり17時を過ぎると渋滞が始まる.本田技研に勤める人はほとんどが自動車通勤である.残業をするのは一部の部署の人だけで、工場勤務の大部分の人は定時を過ぎれば退社する.そのため道路は大渋滞となる.こうなると駅までは1時間近くかかってしまう.だから打ち合わせは、17時までに駅に戻れるようにするか、さもなければもっと遅くまでやるか、というようにスケジューリングを工夫したこともある(とはいえ、「17時まで」となってしまうことが多かった).

自分が本田へ通っていた当時は、既に開業が決まっていたから、盛んに「2023年ライトレール開業」という宣伝が行なわれていた.これが開通すれば、タクシーよりはるかに安価で、しかも渋滞の影響を受けることなく行き来することができる.自分のような業者はもちろんだが、なによりそこで働く人が、自動車がなくても通えるのは助かる人も多いだろう.その時まで自分が現役で、本田がお客さんでいてくれればいいが……と思っていたが、縁がないままで終わってしまった.

開業の報に触れ、当時のことを懐かしく思い出した次第.