Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

メクボールとホスピタリティ

某月某日、西友ストアへ買い物に行った.レジで支払いを済ませ、サッカー台へ異動.メクボールを使おうとしたら、カサカサに乾いていた.使い切ったか、蒸発してしまったのだ.本来は水を入れるべきところだが、コロナ以降、西友ストアではアルコールを入れている.そのため揮発するのも早いのだろう.

これだとポリ袋の口を開けられない.世の中のすべてのスーパーにメクボールがあるわけではなく、備えていない店でもなんとかしているわけで、メクボールが使えないからといって世界の終わりではない.時間がかかるだけだ.紙パックの牛乳などを購入していれば外側に水滴がついていることもあるが、あいにくそういう品物は買っていなかった.

周辺にはたいてい店員さんがいる.その人の手が空いていたらお願いしよう、と探してみたら、別の客の対応中だった.その様子を眺めながら、どうしたものかと思っていたら、店員さんと目が合ってしまった.

(申し訳ありませんが、このお客様が終わり次第、お伺いしますので、少しお待ちいただけますか?)

目がそう言っている.そう言われたらこちらも

(わかりました)

と返すしかない.用事が済むまでしばし待つ.

しばらくしてやって来た店員さんに事情を話すと、「申し訳ありませんでした!」と言ってすぐに補充してくれた.お礼を言って袋詰めを再開した.

やっぱりメクボールは便利だな、と思いつつも、このくらいのことで店員さんを呼ばなくてもよかったかも、という気持ちも湧いて来た.

袋詰めを終え、店を出ようとしたところで先ほどの店員さんがまたやって来た.「他のを確認したところ、どれも切れていました.お陰様で、全部に補充することができました.教えていただいてありがとうございました」.

これは嬉しかった.この人は、私に言われたことの対応をしただけでなく、併せて他のメクボールの確認もしたのだ.そうするように言われているのかも知れないが、忙しい時にはなかなかできないことだ.

それだけでも立派だが、それを私にわざわざ教えてくれた.私は、忙しい時に余計なことを言いつけて、悪いことをしたかな、とちょっと考えたりしていたので、罪悪感が吹っ飛んだ.私のためだけでなく、ほかのすべてのお客様のために、申し立てをしたのはよかったことなのだ.

荷物は重いが気持ちは軽くなった.


Anna ArmbrustによるPixabayからの画像