1月22日から28日まで、全日本卓球選手権大会が開催された.日本一を決める大会であると同時に、五輪ポイントの最後にして大きなポイントの与えらえる大会でもある.12月末の時点での女子の五輪ポイントは次の通り.
順位 | 選手 | ポイント |
1 | 早田ひな | 790.5 |
2 | 平野美宇 | 486 |
3 | 伊藤美誠 | 451.5 |
4 | 木原美悠 | 354 |
5 | 張本美和 | 330.5 |
6 | 長崎美柚 | 278 |
7 | 佐藤瞳 | 252 |
4位まではずっと顔ぶれに変更なし.張本がじわじわ順位を上げてきている.とはいえ、早田は確定、木原に可能性はない.平野と伊藤のどちらがシングルスに出場できるのか、今大会の結果で決まる.その差は34.5ポイント.大会の獲得ポイントは、
優勝 | 120 |
準優勝 | 100 |
ベスト4 | 80 |
ベスト8 | 50 |
ベスト16 | 20 |
ベスト32 | 10 |
従って、伊藤が優勝して平野がベスト4、あるいは伊藤が準優勝で平野がベスト8、はたまた伊藤がベスト4で平野がベスト16、……という差がつくと逆転することになる.とはいえ、平野だって優勝候補なわけで、早々に敗退することは考えにくい.二人がぶつかるとすると決勝戦になるが、この場合は伊藤が勝っても五輪には出られない.
というのが大会前の状況だった.
試合結果、伊藤は6回戦で木村香純に3-4で敗退.平野は準々決勝(7回戦)で赤江夏星に3-4で敗退.平野が五輪出場を確定させた.試合後のインタビューでは、試合日程が過密で腰を痛めたことを告白.最近はいつも同じことを言う.日程が過密なのも腰を痛めているのも事実なのだろうが、そこまでわかっているなら何とかならないものか.伊藤個人というより卓球協会が何とかすべきでは.
さて大会の方は、張本美和が昨年準優勝の木原を順々決勝で4-0のストレートで破ると、準決勝でも横井咲桜を4-0で破り、初の決勝進出.相手の早田は、準々決勝で長崎を4-0で勝ち、準決勝でも赤江夏星を4-0で勝って決勝進出.そして15歳の張本とは格が違うとばかりに寄せ付けず、4-0で優勝(二年連続三度目).早田はこの大会、緒戦からすべてストレート勝ちで、1ゲームも失っていない.圧倒的な力を見せつけた.大会後のインタビューでは「私と平野は、相当の覚悟を持って五輪に臨まなければならない」などの言葉も出、エースの自覚十分である.
三人目の選手は、協会が選出する.五輪ポイントの三位は伊藤美誠なので、普通に考えたら伊藤だろう.過去の実績も問題なし.一方、張本の急成長には目を瞠らされた.現時点での勢いは張本にある.私は、張本を選ぶ方がいいと思う.若くて怖いもの知らずの選手が混じっていた方が、チームに勢いが出る.8年前の伊藤美誠のように.
過去記事
- 卓球女子 オリンピックへの道(2023-06-01)
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