ドジャースは大谷翔平が16日(日本時間17日)のパドレス戦に先発すると発表した.公式戦のマウンドに立つのは2023年8月23日以来、663日ぶり.ドジャースでは初.
当初は今シーズンの頭から二刀流復活かと噂されていたが、チームは、ペースを抑えているように見えた.ひとつには、通常ならマイナーで何試合かテスト登板をして仕上がり具合を確認するが、大谷の場合は一軍で打者として毎日試合を行なっているため、マイナー登板ができないこと.既に二度目の手術であり、年齢も30歳を超していることから、焦って再び故障するリスクを抱えるよりも、安全確実な復帰を期待していること.こうした理由が考えられるが、昨年、打者に専念したら史上初の50-50を達成し、本塁打・打点の二冠に輝き、MVPを満票で獲得するなど、これ以上ない好成績を残したため、誰も口には出さないけれど、今後も打者に専念してこの成績を維持してもらう方がいいと思う人が(球団首脳やファンの間に)少なからずいることも、また一因ではないか.
そのリハビリはすこぶる順調で、先月末から実戦形式の登板練習(ライブBP)も開始、徐々に球数を増やして来た.それでもロバーツ監督は、数日前は「オールスター前の登板は、ゼロとは言わないが可能性は低い」と言っていたが、急転直下、登板が決まった.監督談話では、ライブBPのあとで試合に出場するのは体力的にキツイと本人から申し出があったという.それなら、実際に試合で投げ、感覚を取り戻してもらう方がいいと判断した、ということらしい.
大谷は5月は打率.309、本塁打15本と打棒爆発し、月間MVPを獲得.ところが6月に入って早々に1本打ったきり、10試合以上も本塁打がなかった.その間もコンスタントにヒットは打っており、報道では「好調を維持している」と言われているが、ライブBPが始まった途端に本塁打が止まったのだから、その影響は無視できないと自分は考えている.
たとえば投手として規定投球回を投げ、打者として規定打席をクリアし、10勝&30本塁打をクリアしたら、凄いことだ.誰も出来ない唯一無二の記録になる(大谷自身は過去二回記録しているが).しかし、こう言ってはなんだが、打者と投手と両方で活躍していることは凄いけれど、どちらか一方だけを見る限りは、平凡な成績である.
以前は、サイ・ヤング賞を獲れる可能性のある日本人は大谷翔平だけ、と思っていたから、投手も頑張ってもらいたい、なんなら投手だけでもいいと思っていたけれど、千賀か山本のどちらかが(あるいは二人ともが)、数年以内に同賞を獲るだろう.大谷は打者に専念して、二度目の50-50を、あるいは60本塁打を、あるいは三冠王を狙う方が、よいのではないか……と、思わなくもない.
もちろん、判断するのは本人であり、チームだ.自分はただ応援するだけだ.
