Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

藤井聡太 ついに五冠

藤井聡太竜王が本日の王将戦七番勝負の第4局で渡辺明王将に勝利.4連勝(無敗)でタイトルを奪取し、史上最年少の五冠王となった.19歳6カ月.達成の弁は「自分の実力を考えると出来すぎ.今後は立場に見合う実力を身につけたい」となんとも謙虚なものだった.*1

渡辺明は、昨年の棋聖戦でも藤井に三連敗している.恐らくトップ棋士というのは、いろいろな強敵と戦わなければいけないため、特定の相手に絞った対策をやっている時間がない(渡辺は、現在、棋王戦で永瀬拓矢とタイトル戦の真っ最中).が、ここまで藤井に連敗しては、立場がない.雪辱を期し、藤井対策に集中すれば、いかな藤井でもそうそう付け入る隙はないのでは、と漠然と考えていた.結果は一矢報いることもできず.完敗だった.

20年前、羽生善治の全盛期の2004年度に渡辺明竜王を奪取.羽生の力に徐々に陰りが見えるとともに渡辺が力を伸ばし、2018年度、羽生が28年ぶりに無冠になると、渡辺と豊島将之が二冠獲得.2019年度は渡辺と豊島がともに三冠獲得.2020年度は悲願の名人を奪取した渡辺が三冠を維持(豊島と藤井がともに二冠).この数年の実力一位は渡辺明で、いずれ藤井は出てくるであろうがもう何年か先だと思っていた.

今後は、残りのタイトルもひとつずつ藤井に奪われていくだろう.

追記(2022-02-13)

  • 渡辺明藤井聡太とタイトルを争ったのは、第91期棋聖戦(1勝3敗で渡辺がタイトルを失う)、第92期棋聖戦(4連敗で藤井が防衛)に続き三度目。通算戦績は1勝10敗で8連敗中.
  • 通算タイトル獲得数は、羽生が99、大山が80、中原が64、渡辺が29の順だそうだ.これを見る限りは、渡辺は現役最強ともいえるが、棋士の「序列」は、昨年8月に竜王を奪取した藤井が現在一位.

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*1:これまで五冠を獲得したのは、大山康晴(39歳10カ月)、中原誠(30歳5カ月)、羽生善治(22歳10カ月)の三人のみ.ただし、時代によってタイトル数が異なるため、単純比較はできない.大山の時はタイトルは5つ.全冠制覇だった.中原の時は6つ.羽生の時は7つだった.現在は8つ.