Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

素人でもわかるコロナ

新型コロナに関してはいろいろな人がいろいろなことを言っていて、誰の何を信じていいのかわからない.国や東京大阪の知事が打ち出す政策は、本当に専門家の判断を汲み上げた上でのことなのか、素人の思い付きではないのか、と疑問に感じることがある.ネットでは、大胆な意見を自信たっぶりに断言している人がいて、この人は感染症の専門家かと思ってよくよく確認すると、感染症どころか医師でも看護師でもないど素人だったりする.だから間違っているとも言えない.

最近、「オミクロンはただの風邪」という言説を非常によく目にし、耳にするようになった.いわく、感染力は強いが、重症化率・死亡率は低く、もはや恐れるほどのものではない.インフルエンザだって、流行期には大勢の人が感染するし、不幸にして死ぬ人もいるが、だからといって飲食店の営業に制限をかけたり、学校の授業をリモートにしたりはしない.新型コロナも同じだと.医療が逼迫するのは2類だから.5類にすれば医療崩壊は起きない.

私は正真正銘の素人だが、素人でもこの説はおかしいとわかる.一年前の冬、そして今年の冬と、インフルエンザの感染者は非常に少ない.厚生労働省の発表を元に、過去三年間の比較表を作成すると次の通り.

period 2019/2020 2020/2021 2021/2022
12/20-12/26 115,002 70 49
12/27- 1/2 64,553 69 45
1/3 - 1/9 90,811 73 50
1/10-1/16 83,037 65 54

一昨年の約1,500分の1である.

理由は明らかで、常時マスクを着用するとか、こまめに手を洗うとか、仕事を在宅でするとか、人ごみを避けるとか、熱が出たら外出を控えるとか、とか、とか、新型コロナを念頭に置いた様々な対策が、インフルエンザにはたいへんな効力を発揮しているのだ.

私も、毎年2回くらい風邪をひいていたが、この二年、全く風邪をひいていない.これまでは、風邪にかからない方法などない、かかってしまうのは仕方ない、と思っていたが、現在のやり方を続ける限りは、風邪やインフルはほぼ完全に遮断できることがわかった.

社会全体で、大きな行動変容をしている.それでも、新型コロナは封じ込めることができないのだ.風邪やインフルエンザとは全く違う、恐ろしい疫病だとしか言いようがない.

そもそも「軽症で済む」と簡単に言うが、軽症というのは入院せずに済む状態という程度で、本人の息苦しさ等は並の風邪とは比較にならないほどつらい、とは、実際に感染・発症した人があちこちで発言している.「死亡者は増えていない」という指摘もあるが、死に至るまでには時間がかかるから、まだ増えていないだけであって、増えるとしたら「これから」なのではないか.今増えていないことは「オミクロンはたいしたことない」ことの証左にはならないはず.

いい加減、自粛自粛にうんざりしている.映画にも行きたい.飲みにも行きたい.人と気兼ねなく会って話をしたい.だからこそ、本当の意味での終息を目指さなくては.中途半端な対策では、永遠に自粛を続けれなければならない.

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jplenioによるPixabayからの画像