2022年6月24日、コラムニストの小田嶋隆が病気のため逝去.65歳.
私がオダジマの名前を知ったのは1990年ごろ.コンピュータやコンピュータ業界の難しい話を、わかりやすく、ユーモアたっぷりに書いたコラムをあちこちで見かけた.業界の片隅に棲息していた自分は、彼の文章を読んで、自分はプログラムが作りたいのではなく、「コンピュータのことをわかりやすく文章で書く」ということがしたいのではないかと漠然と感じ、氏の文章を探しては読むようになった.
著作も何冊か買ってみた.ただ、短い文章はいいが、長い文章は退屈だと思った.また、コンピュータの本当の意味での専門家ではないのではないか、という疑念も生まれた.その後は林晴比古、脇英世などの書く文章に惹かれ、オダジマは読まなくなった.それから30年くらい縁がなかった.
ここ数年、twitterで時折り見かけるようになった.社会問題に対して鋭く切り込んだ投稿が時にバズり、自分のタイムラインに表示される.相変わらず頑張っているのだな、と懐かしく思うと同時に、文筆家のはずなのに、なぜお金にならないtwitterに熱心に投稿しているのだろう、と不思議に思ったりした.
そんな矢先の訃報.初めて年齢を知り、自分とさほど隔たりがなかったことに驚く.好きだったわけでも、よく知っているわけでもないが、同世代の(少しだけ年上の)、少しだけ世に名を知られた人であった.
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- コラムニスト・小田嶋隆が残した功績【追悼企画】──Vol.01:内田樹(2022-06-27、GQ Japan)
内田樹が小田嶋隆について書いた追悼記事.交流があったとは意外だ.正反対のタイプに思えるから.実際、記事中で本人も「ほとんど共通点がない」と書いている.