Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

山下達郎にガッカリ

松尾潔の件について山下達郎が本日発言すると予告していたため、気にしていたが、予想以上にガッカリな内容だった.

7月1日、松尾潔twitterで、スマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了することを報告。ジャニーズ事務所に言及したのが原因で、山下達郎も賛成している、とあった。以後、本件で急に界隈がザワザワし始めた.「山下達郎がそんな人だとは思いませんでした」「もう山下達郎の音楽は聴きません」などというコメントがあちこちで発せられているようだった.

7月6日、日刊ゲンダイに連載中の「松尾潔のメロウな木曜日」で、本件に関して詳しい説明があった.

松尾潔という人物のことは、これまでほとんど知らなかった.が、この記事を読んで、彼の上品で誠実な人柄に好感を抱いた.ジャニーズ事務所については、いいとか悪いかではなく、この問題から逃げずにきちんと対処すべきだと提言したこと、そうしたら事務所の社長から契約打ち切りだと言われたこと、山下達郎がどう思っているか知りたいから弁護士を通じて問い合わせてもらったら社長と同意見だと返って来たことなどを、ていねいに、たんたんと述べている.残念な気持ちは伝わってきたが、特に誰かを批判・非難しているわけではない.立派な人だ.

これに対して山下達郎は、自分はSNSをやっていないからラジオ番組「山下達郎のサンデー・ソングブック」で説明すると予告していた.番組が終われば記事が出るだろうと思っていたら、全文を書き起こしてくれた人がいた.

それを読んで非常にガッカリした.まさに松尾の言う「不敬罪による一発退場」を裏付けている.

冒頭から問題のすりかえが続く.「松尾潔氏が契約終了となり」終了ではなく途中解約では.悪意が感じられるすりかえだ.

「私が社長に対して、契約を終了するよう促したわけでもありません」.そんなことは松尾も言っていない.彼は山下も賛成だと聞いたと言っているのだ.

「松尾氏がジャニー喜多川氏の性加害問題に対して憶測に基づく一方的な批判をしたことが契約終了の一因であった」.松尾氏は嘘を書いている、実際にはあることないことボロカスに言い触らしていた、だから辞めてもらった、と言うならわかる.しかし、問題にされたという文章には、ジャニー喜多川への批判などどこにもない.問題をうやむやにせず、きちんと向き合うべきだという提言だ.これを批判を決めつけるのは、それこそ事実無根の中傷ではないか.

「性加害が本当にあったとすれば、それはもちろん許し難いことであり、被害者の方々の苦しみを思えば、第三者委員会等での事実関係の調査は必須であると考えます」.松尾も同じことを言っているのだと思うが.

「音楽業界の片隅にいる私にジャニーズ事務所の内部事情など全くあずかり知らぬことですし、まして性加害の事実について、私が知る術は全くありません」.それは当事者以外は事実は知る由もないだろう.知ったかぶりをしてあれこれコメントするのは確かに愚だ.だからといって、問題にふたをしていいわけはない.そして、事実にふたをしようと力をかけてくる者に対しては批判すべきではないか.

山下達郎が「事実にふたをしようと力をかけてくる者」の側に回ってしまっていることも残念だが、言い訳をするならするで、もう少しまともな言い訳を考えてほしかった.時間はあったはず.あまりに頭の悪い物言いに、自分は心底ガッカリしている.

松尾潔tweet


山下達郎の発言