Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

才能(タレント)はどこにいるか

イエロー・マジック・オーケストラは、細野晴臣高橋幸宏坂本龍一という、偉大な才能を持ち、かつ個性の異なる人が集まって1+1+1が3以上になった.が、三人にとってはこれがデビューではない.細野はデビューして10年近い経歴があり、既に業界内の重鎮的存在だった.高橋も同様.坂本龍一スタジオミュージシャンとして活動していた.つまり、細野は国内外のミュージシャン誰にでも声をかけることのできる立場にあった.細野が声をかければ、賛同かどうかは別にして、少なくとも話は聞くだろう.だから「僕の考える最高のバンド」を作ることができた.

それ以前のキャラメル・ママも同様.はっぴいえんど解散後の細野は、頭角を現わしていた林立夫松任谷正隆に声をかけることができた.今から振り返っても、精鋭が集まっていたと思うが、集まるべくして集まったのだ.サディスティック・ミカ・バンドもそう.既に実績のある加藤和彦は、つのだひろ、高中正義といった実力ある若手ミュージシャンに声をかけてバンドを結成、高橋幸宏小原礼今井裕らが合流した.そこに不思議はない.少なくとも私は不思議には思わない.

わからないのはその前だ.林立夫はアマチュア時代に小原礼鈴木茂とSKYというバンドを組んでいた.小原礼は高校のクラスメートだというのだが、なぜ同じクラスに小原礼がいるのだ.私は中学の時も高校の時も同じクラスに小原礼はいなかった.林立夫もいなかった.バンド活動をしていて鈴木茂に出会い、一緒にバンドを組むことになったというが、高校生が会いに行かれる距離に鈴木茂がいたというのも信じられない.

ザ・フォーク・クルセダースの三人――加藤和彦北山修、端田宣彦もそうだ.井上陽水星勝もそうだ.才能(タレント)というのは、全国に平均的に存在するのではなく、局所に偏在しているのではないか.そう考えないと辻褄が合わない.

もっとも、自分と同じクラスに小原礼がいたとしても、自分がバンドに誘われることはなかったであろうが.