若い人にインタビューをして、選挙に行ったかどうか、行ってないという人にはなぜ行かなかったのかを訊く、という企画をあちこちでやっていたらしく、そういう記事をいくつか目にした.選挙に行かない理由としては次のようなものが出ていた.
- 忙しくて行く暇がない
- なんの選挙かわからない、興味がない
- 入れたい人(政党)がない
- ちょっと調べても政党の違いがわからないしtwitterなどではどの政党についてもボロクソに言っている人がいて投票する気がなくなった
- 自分一人が投票に行っても何も変わらない
- なんで選挙に行かないといけないのかわからない
- 周りにも選挙に行った人は誰もいない
- 投票に行くメリット(ポイントなど)があれば行く
- 生活が苦しいとかいうけど、選挙に行く時間にアルバイトとかをした方が実効性がある
こういう人が目の前にいたとして、自分は相手を説得するすべを持たない.だから職場とか友人とかの間で選挙の話題が出ることがあっても「投票に行った?」とは決して訊かない.行っていない、と言われたら見過ごしにはできないが、相手を説得できるとは思えないから.
織田信長はわれらの大将には相応しくないから、徳川家綱は将軍職に相応しくないから、次の総選挙では別の人に入れましょう、ということはできなかった.そもそも公の場で「相応しくない」などと公言しようものなら手打ちにされる可能性もあった.選挙権というのは長い間の歴史的経緯を経てわれわれが獲得した、貴重な権利だ.権利というものは行使しなければ奪われていく.だからどんなに忙しかろうが、投票に行く.
投票率を上げるため、スマホで投票できるようにすべき、という意見には必ずしも賛成ではない.いずれインターネットを利用した投票は実現するだろうし、その方が便利には違いないが、そもそも便利にすべきであろうか.被災者や病人、歩くことが難しい高齢者などには配慮するべきだが、簡単にできるならやる、面倒ならやらない、という理由でやったりやらなかったりするものではなく、断固たる決意で行使すべきものであり、投票場までたとえ一時間かかったとしても、行くべきなのだ.