Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

坪内逍遥祭に参加

第87回坪内逍遙祭に参加した.今回の講師は長田育恵氏.テーマは「NHK『らんまん』に描いた逍遙像」.場所は小野記念講堂(早稲田大学).

自分がこのような文化的なイベントに参加するのは珍しい.結論としては行って良かった.文化の香りを嗅いだ.

もともとは「らんまん」絡みでこのようなイベントがあることを知り、参加費は無料だが申込制と知り、ダメもとで申し込んでみたところ、当選の通知が来たのが7日.改めて日時を確認すると、この週はかなり忙しいことがわかったが、せっかくなので時間を作り出かけることにした.

早稲田大学は種々の用事で何度も通ったが、小野記念講堂は初めて.どうせ行くなら早めに行って演劇博物館を見学してみたかったが、そこまでの時間はなく、開場時刻を少し過ぎた頃に到着するのがやっと.ただしその時点では席は半分も埋まっていなかった.最終的には200席ある座席はほぼ満席となるが、開演時刻を過ぎてから入って来る人もいた.芝居じゃないから中途入場は認めざるを得ないだろうが、講演者にも他の客にも失礼だ.

講演内容は、坪内逍遥の生涯について長田氏が語るというものだが、らんまんに登場した丈太郎と並行して話してくださり、ドラマの写真もバンバン映してくださったのはよかった.自分は坪内逍遥について予備知識はほとんどなく、らんまんのファンだったというだけの理由で参加したからだ.

ただしらんまんでは若い頃にくすぶっているところ(と晩年の一コマ)が描かれたのみで逍遥の実績についてはほぼ描かれていない。そこが埋められた.

面白かったのは、逍遥と牧野富太郎はかなり共通するものがあったということ.本人もそうだが、せん夫人がよくできた人で、逍遥のために1000坪の土地を確保してくれたり、寿恵子に似ているのだ.

興味深かったのは、長田氏は、逍遥と牧野が同じ時期に東大に通っていたということから「親交があっただろう、あってもおかしくない」という作家の想像力で二人の交流を描いたが、その後、実際に二人に親密な付き合いがあったことがわかったそうだ.翻訳した作品に出て来る植物の訳語をめぐって手紙のやりとりがあったそうで、その文献の当該箇所のコピーが出席者の配布されたのは素晴らしい.

朝ドラ執筆の裏話的な話もいくつかあったが、これは「あまりあちこちでしゃべらないでくださいね」と言われたから、恐らくここで書いても問題になることはなかろうが、割愛.

長田氏はいつか小説を書くことも考えているそうだが、今のところは全くその準備はしていない.「逍遥がシェークスピア独力で全集を刊行することを決意したのは67歳ですから!」と言っていたのが印象的だった.

上記Webサイトから転載