オリンピック自体はさほど興味はないが、卓球は好きだからこれだけは見ている.1日は日本時間で22時から平野美宇、24時から張本智和、27時から早田ひなのシングルスの準々決勝があった.もう一人の男子、戸上隼輔は前日の三回戦で敗退している.
平野の相手は韓国のシン・ユビン.この人は名前も顔もよく知っている.国際大会にしばしば顔を出す.中国と日本が上位を独占する世界ランキングに、ただ一人食い込んでいる選手.
2024年8月1日付のランキング:
1 | 孫穎莎 | 中国 |
2 | 王曼昱 | 中国 |
3 | 王芸迪 | 中国 |
4 | 陳夢 | 中国 |
5 | 早田ひな | 日本 |
6 | 陳幸同 | 中国 |
7 | 張本美和 | 日本 |
8 | シン・ユビン | 韓国 |
9 | 伊藤美誠 | 日本 |
10 | ベルナデッテ・スッチ | ルーマニア |
13 | 平野美宇 | 日本 |
過去の対戦成績は平野の2勝1敗.世界ランキングはシン・ユビンが上.強い選手だ.それでも、中国人以外には負けないでほしい.
第1ゲームは4-11でシン.何もできずに終わった感があった.シンはこんなに強かったのか.第2ゲームは7-11.大分粘れるようになってきた.第3ゲームは5-11.だんだん点が取れるようになってきたから、あともう少し粘ればいける……と思いたいが、現実には3ゲームを失った.
ここで平野が審判に何か声をかけると会場をあとにした.着替えに戻ったらしい.ユニフォームが汗だくになったということか? もちろん目的は着替えではなく、仕切り直しのためだろう.
第4ゲームはいきなり平野のポイント.悪い流れは断ち切れたか.シン・ユビンも簡単には勝たせてくれないが、このゲームは終始リードを保った状態で進み、11-7で1ゲームもぎ取ると、第5ゲームは11-8、第6ゲームは11-9で三連勝.ついに3勝3敗.第7ゲームにもつれ込んだ.
こうなると追い上げる平野が有利だと思いきや、シン・ユビンも気持ちを切り替えて来たか、いきなり4連続ポイント.大差がついた.が、じりじりと追いつき、ついに逆転する.そしてマッチポイント.それを追いつかれても再びマッチポイント.それも追いつかれ、シン・ユビンのマッチポイントになると、それをひっくり返す力はもうなく、11-13でシン・ユビンの勝利となった.
3ゲーム先取されても3ゲーム取り返し、第7ゲームは4ポイント取られても取り返し、マッチポイント2回.すさまじい精神力だった.自分ならとっくに心が折れているところ.本当によくやった.
「最初で最後のオリンピックのシングルスだと思うので……どうしてもメダルがほしいと思っていましたが、届きませんでした.最後にはチャンスがあったのに、自分の殻を破ることができなかった.応援してくれた人たちに、メダルを見せて恩返ししたかったけど、できなくて残念です」
第3ゲーム終了後に控室で何があったのかが気になっている。短時間で気持ちを切り替える方法があるならそれを知りたい.それとも誰かから何かを言われたのか。それは精神的なものか、具体的な戦術的なものか。インタビューアーはなぜそれを訊かないのか不思議だ.みんな気にならないのだろうか.
なお、張本は樊振東相手に第7ゲームまで粘るなど健闘したが、3-4で敗戦.早田ひなはミックスで負けた北朝鮮のピョン・ソンギョンと対戦し、またも第7ゲームまでもつれ込む熱戦を制して、準決勝進出を決めた.