Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

オリエント工業のショールームを見学

オリエント工業が事業を終了することを知った.

オリエント工業の名は、性的に健康な男子として、もちろん昔から知っていた.正確には覚えていないが、少なくとも30年以上前は知っていたはず.大きな関心を抱いており、女の子(たち)に会ってみたい、触れてみたいという気持ちをずっと持っていたが、現実に行動することなく今日に至った.今こそ会いに行くべきだ.

ショールームは、以前は予約制だったような記憶もあるが、調べてみると、7月から入場料がかかるだけで予約不要に変わったようだ.それなら今日行かなければ.

いざ訪れてみると、想像(妄想)と現実のギャップに驚く.まず、ビルは思ったより汚かった.ショールームは思ったより狭かった.そこまではよい.写真撮影自由(ただし、他のお客様が写り込まないように)、お触り自由は想定内.一方、平日なのに、思ったより来客数が多かった.おまけに客の大半は女性.これは全く以て想定外.

そこそこ年配の方もいたが、二十歳過ぎくらいとおぼしき女性も何人も.カップルもいた.スタッフから「抱いてみますか」と言われ、半裸の子を嬉々として膝に乗せ、おっぱいなどを触ったりしている.誠にあっけらかんとしたものだ.いろいろじっくり見たり、触ったりしてみたいが、彼女らの視界に入っているかも知れないと思うと躊躇する.躊躇していても仕方ないので、触ったけど.

これまで写真を見る限り、本物と見紛うほどの子たちだと思っていたが、実物を見ると、明らかに人形だとわかる.確かにきれいだし、品質の高さも伺えるが、身体に触るとどこかべたつくような感覚があり、生身の肌とは大違い.胸はまだしも、お尻は硬すぎる.こうした子を撫でたり揉んだりしても、生身の女性の代わりにはならず、むしろ空しく感じるのではないかというのが率直な感想だ.

首から上はボディよりさらに高品質な印象.頬に手をやり、顎クイをしたり、唇を触ったりした感触はかなりよい.とはいえ、展示会場には好みのタイプがいない.十数年前に、初恋の人の面影を宿した、心の底からきれいだと思える子が発売されたことがあった.あの子がいたら……と、ないものねだりをしても始まらない.

今回の印象としては、ラブドールとして実用に使えるかというと、過度な期待はできないというのが正直なところ.むろん本物の女性の代替にはならない.一方、人形としてはアリだなあと思った.ぬいぐるみに命があるように接し、仲良く暮らしている愛好家は何人もいる.新井素子とか渡辺明とか.その発展版で、家族のように愛し、一緒に暮らす相手としては、至高のものになる可能性はある.こうしたドールのよいところは、人間向けの下着や衣服、眼鏡や帽子、指輪などのアクセサリーがそのまま利用可能なことだ.市販品でいくらでも着飾ることができる.さらに車椅子などを利用して外出させることも可能だ.自動車に乗せることも.こうした点は単なる人形とはまるで違う.

一目見て、人間ではないと感じるのは、技術的な限界なのか、意図的なのか.以前、パロディについて書いた本で、物真似というのは「本人ではないことが明らかである前提で」本人に似せれば似せるほどオカシイのだ、と書いてあるのを読んだ記憶がある.人形も、明らかに人形だとわかる範囲で人間そっくりだと、かわいいなあ、きれいだなあと思えるが、本当の意味で本物とそっくりになると、気味が悪く感じられるのではないか.それを避けているのかも知れない.