2024年11月17日、兵庫県知事選挙が行なわれ、斎藤元彦(前兵庫県知事)が稲村和美(前尼崎市市長)を抑えて再選を果たした.
自分の期待する人が当選しなかったからと言って、また、自分が絶対に選ぶべきではないと考える人が当選したからと言って、選挙権者の知的レベルが低いかのようなことを言うべきではない.それは民主主義の否定だ.自分とは違う意見を持った人が多かったのだと受け入れなければいけない.
それにしても兵庫県では何が起きたのだ.議会から不信任決議案を出されて失職した知事が再び立候補したと聞いた時は呆れた.誰が相手をするというのか.恥の上塗りをするだけだと.ところが選挙戦後半で、勢いを増していると聞くに及び、万が一にも当選することはないだろうが、どうしてこんなに人気があるのか不思議だった.そして昨日.まさかの再選.
どうしてこういうことになったのか、夜のニュース番組をいくつか見てみたものの、淡々と選挙結果を報じるのみ.局側も事情をつかみかねているとしても、誰か識者を引っ張って来て何かしゃべらせる手もあるわけで、問題だと思っていないのか.
今朝になって「はてな匿名ダイアリー」に次のような投稿があった.
- 兵庫県知事選でおきたこと(2024-11-18)
この人の観察では立花孝志の動きが功を奏したことになる.県知事選に立候補しておいて、自分には票を入れるなと主張し、斎藤候補に有利になるように動き回ったという.立候補者が自身の当選を目指さないという事態は、これまで誰も想定していなかっただろう.その穴を衝いたということか.穴が開いているのは、まともな人間であればそんなことは考えない、考えても実行しないから.著名人がそうしたことを平気で実行することに寒々としたものを感じてしまう.
しかし、逆に考えたらどうか.今の世の中は様々な矛盾や差別が横行しているが、自分が誰かに一票入れただけでは何も変わらない、と諦めている人は多いだろう.そんな中、やり方次第で引っくり返せることを示したともいえる.世の中、諦めたものではないのだと.
斎藤は、県議会や県職員との関係を築き直すと殊勝なことを言っているが、自分を辞任に追い込んだ議会を許さないだろう.市長選においても、自分の反対陣営に回った者を黙って見てはいないだろう.これから兵庫県で何が起きるかは注目しなくてはならない.