前澤友作氏は9日からISS（国際宇宙ステーション）に滞在していたが、20日、カザフスタンに着陸、無事に帰国した．
金持ちの道楽などとさかんに揶揄されていたが、金持ちの道楽の何が悪いのかわからない．宇宙開発は、科学技術の進歩という点では非常に重要であり、積極的に進めるべきと思うが、莫大な費用がかかる．100億円といわれる前澤氏の旅行費用はどのようにはじいたものかわからないが、それだけのお金がこの分野に流れ、少しでも発展に寄与するならばそれは素晴らしいことだ．
ハワイも戦前は大金持ちしか行かれなかった．宇宙旅行も現在は桁外れの費用に加え、さまざまな制約があり、現実には素人はまず不可能だが、将来はコストダウンしてハワイ旅行のように気軽に行かれないか……という夢を描く人がいる．が、宇宙旅行が庶民化することはあり得ないだろう．
ハワイは、カラっとした爽やかな気候だとか、エメラルドルビーの海だとか、実際に、少々のお金を払ってでも「楽しい」と思わせるものが現実に存在する．しかし、ISSまで行っても、ろくな食べ物もない、風呂にも入れない．地球を外から見たいとか、無重力状態を体験してみたいとか、そういうことに魅力を感じる人もいるだろうが、前澤氏が行きたがった理由は、「誰もやったことのないことのないことだから」、つまり「レアであること」に魅力を感じていたのだと思う．誰もが気軽に行かれるようになったら、前澤氏はまた行きたいとは思わないだろう．
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