Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

お世話になった小児科の先生

12月28日の記事で、26日に手紙を出したと記したが、手紙を出したのはこの先生だけではなく、他にも三通.そのうちの一人は、子供の頃にお世話になった小児科の先生だ.

幼い頃は身体が弱く、小学校の低学年の頃は月に1~2度は体調を悪くして(当時は「風邪を引いた」と思っていた)学校に行かれない日があった.それまでかかっていた小児科の先生は、対症療法はしてくださるが、病気を防ぐには「身体を鍛えて」といったことくらいしか示唆してくれなかった.

毎朝近所を走ったり、乾布摩擦をしたり、冬でも薄着をしたり、いろいろ頑張ったが、ほとんど効果は感じなかった.冬の薄着は、当時、身体を鍛えるという意味で効果があると思われていたようだが、今から思えば逆効果ではなかったか.

小学校三年生の時に医院を変え、出会ったのがこの先生だ.この先生は原因は◎◎にあるのではないかと言い、それを治すための注射を打つことを提案された.この注射は、週一度、一年余にわたって打つ必要があり、かなりの根気と時間とお金が必要になる.今でこそ、◎◎という、病気になる可能性のある体質については耳にすることが少なからずあるが、約50年前には全く聞いたことがなく、親も半信半疑だったと思う.しかし、先生を信頼しましょうと、その治療を行なうことにした.

週に一度、診療所へ通うのはかなり面倒だったが、注射を打つようになってから、ぐんぐん体調がよくなり、休む日が目に見えて減った.小学校を卒業する頃には、かつて月に二回は休んでいたのが年に二回くらいに減り、中学生になった時に皆勤賞を達成.あの病弱だった自分が皆勤賞を達成することになるとは、想像もできなかった.これもすべてはこの先生のおかげ.この先生には深く感謝することになる.

高校を卒業するまでは、具合が悪くなるとここへ行っていたが、高校卒業後、家を出たため、この医院へ行かなくなり、この先生と会うこともなくなった.以来、40年.

実家へ帰ると、たいていこの医院の前を通る.生涯現役を目指された先生は、歳を重ねても開業医を続けているとは噂で聞いていた.とはいえ、2021年には89歳になったはず.まだ続けているのか.お元気なのか.ネットの口コミ情報を探してみると、おばあちゃん先生が一人でやっています、親切な先生です、というのが見つかったが、その書き込みは10年以上前のものだった.

そこで、思い切って手紙を書いてみたのだが、今日、娘さんから返事が届いた.娘さんから来た時点で、悪い知らせではないかと青ざめたが、中を読んでみると、数年前から代診の先生をお願いして、実質的にはその先生にお任せ状態だったこと、昨年、医院を閉業したこと、現在は寝たきりの生活であることが記されていた.手紙は読んで聞かせたので、内容は理解したと思う、とも書かれていた.

まだご存命であることがわかってほっとした.年齢を考えれば、寝たきり生活も致し方ない.生きているうちに伝わってよかった.

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