Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

中西太逝去

2023年5月11日、元プロ野球選手の中西太が逝去.90歳.また昭和の偉人が一人、いなくなった.

黄金時代の西鉄の盟友だった稲尾和久(70歳)も豊田泰光(81歳)も大下弘(56歳)も仰木彬(70歳)も、とっくにこの世を去っている.彼らに比べればずいぶんと長生きをした.

現役時代は知らないが、コーチや監督時代は知っている.逸話は多いが、印象に残っている話が二つある.

ひとつは山田哲人が三割・30本・30盗塁のトリプルスリーを達成した時だから、2015年の終わりか2016年ごろ.中西はトリプルスリーの最年少達成者としてコメントを求められた.今はビデオやら何やらですっかり丸裸にされ、対策を立てられてしまう.その中であげた成績だからすごい.自分らの頃は、相手はそこまで警戒していなかった……といったことを述べていた.自分の自慢話ではなく、現役選手をリスペクトする内容にとても好感を抱いた.

ただし、この話にはオチがある.三原監督から、主力選手であるお前が滑り込んで怪我でもしたら大変だ.だからあまり走らないでくれと言われた.だから盗塁はやめて、三冠王を狙うことにしたと.そう、投手や、捕手や、クリーンナップを打つ打者は、ケガを恐れて走らない.本人が走りたくてもチームが走らせない.それは中西の時代からそうだったのだ.大谷がいかに凄いかの証左でもある.首脳陣は、とにかくケガだけはしてくれるなと毎日祈っているだろう.

もうひとつは、自分を批判した(ことになっている)江本孟紀をかばったこと.これについては過去に書いたことがあるから繰り返さない.懐の深い人だったのだ.