2023年10月1日(日本時間2日)、MLBの全日程が終了、大谷翔平の本塁打王が確定した.日本人選手の打撃三タイトルの獲得はイチローの首位打者以来、本塁打王は初.
日本のプロ野球で50本以上の本塁打を打った選手というと、バレンティン、ローズ、カブレラなど外国人選手では時たまいるが、日本人選手では2000年以降は松井秀喜(2002)と村上宗隆(2022)のみ.松井は21世紀の日本を代表する長距離打者だと思っていた.が、メジャーへ行ってからは最高が31本.30本を超えたのも一回だけで、20本を切ることもしばしば.松井はメジャーでは中距離打者だった.中村紀洋や筒香嘉智など、日本では大砲と呼ばれる選手がその後も何人かMLBへ行ったが、そもそも好成績を挙げることができなかった.
日本人打者は、アベレージ・ヒッターとして成功する道はあっても、長距離打者は無理なのか.そんな思いを大谷が打ち砕いてくれた.
もっとも、大谷がMLBでも屈指のホームランバッターであることは、デビュー当時からわかっていた.ただし、投打の二刀流を続ける限り、タイトルには縁がないだろうとも.日本でそうだったように.
2021年は投手もこなしつつ46本塁打、2022年は投手として規定投球回に達し、34本塁打.投手の比重が増えた分、打撃成績が落ちた.打者に専念すればタイトルは確実なのに.でも本人がやりたいのだ.今年はさらに進化し、投手としても活躍しつつもついに本塁打王を獲得.もっとも、そのため身体が悲鳴をあげ、戦線離脱と相成ってしまったが.
年度 | 打数 | 打率 | 打点 | 本塁打 | 得点 | 盗塁 | OPS |
2021 | 537 | .257 | 100 | 46 | 103 | 26 | .965 |
2022 | 586 | .273 | 95 | 34 | 90 | 11 | .875 |
2023 | 497 | .304 | 95 | 44 | 102 | 20 | 1.066 |
今年は本塁打のほか、325塁打、21敬遠、出塁率、長打率、OPSでリーグ最高を記録した.
本塁打をこれだけ放ち、打率も3割を超えたにも関わらず、打点が少ない.主に二番を打っている影響もあるのだろうが、チームが貧打で、大谷の前にランナーを溜められないからだろう.
来年は一年間、打者に専念することになる.どこのユニフォームを着ることになるかはわからないが、エンゼルスではないだろう.そうしたら、打点も得点も増えるだろう.トリプル3(3割30本塁打30盗塁)&打撃二冠(本塁打王、打点王)もあり得るのではないか.