Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

給料は高い方がいいのか?

以前、知人と転職について話をしていた時、先方が「例えばさ、今の会社の倍出すって言われたら、その会社に転職するじゃん?」と言うので、「えーっ、そんな会社怖くて絶対に行かない」と答えたら、その場が凍って話が打ち切られ、知人が不愉快になったことがあった.

倍、というのは言葉の綾で、給与条件のいい会社が人を募集していたらそこに入るだろう、ということが言いたかったのかも知れないが、同じことだ.給与で仕事を選ぶと碌なことはない.

自分はこんなにも業績を上げ、会社に貢献しているのに給料が安過ぎる、という思いを抱いている人はいるだろう.が、従業員の能力を正確かつ公平に評価するのは、言うほど簡単ではない.まして、他社の人間の能力を評価できるとは思えない.「君はもっと評価されていい人間だ」という言葉は、お世辞でなければ裏があると考えるべきだ.

従業員の能力や業務への貢献度は、短期的に大きな差が出ることは確かにある.が、不思議なことに、給料は大きく差がつかない.会社が違えば、給与水準の高い・低いは多少はあるのかも知れない.少なくとも、赤字で苦しんでいる企業は昇給や賞与は期待できないかも知れない.とはいえ、一般的には、同じ業界で類似の職種、同等の年齢であれば、だいたい給与は同レベルではないか.トヨタの粗利益は昨年度は3兆に達したが、ホンダは4千億.ではトヨタの社員の給与がホンダの7倍かといえば、そうではないだろう.

そう考えると、ある会社の給与が明らかに高いと判断できるならば、ブラック・オブ・ブラックの企業で、深夜残業や休日出勤が当たり前の超長時間労働が常態となっているか、もしくは犯罪まがいの行為を強いられるか、大きなリスクが存在することを覚悟しなければならない.

また、外資系やベンチャー企業にありがちだが、高い給与で外部から人を招聘し、期待された成果が上がらず一年でクビ、というケースもある.新しい会社ですぐに成果を出すのは難しいだろうが、給与が高ければ何年も待ってはもらえない.

転職して環境が変わったことで能力が開花し、業績が上がり、結果として給料が上がるということはあるだろう.が、自分は何も変わらないのに収入だけが上がる、などといううまい話はそうそうはないのだ.


mickey970によるPixabayからの画像