Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

今週の朝ドラはつらい

初めて見た朝ドラは「カムカムエヴリバディ」だ.次作はひと月足らずで離脱したが、「舞いあがれ」も完走.今季の「らんまん」も欠かさず見ており、三作目ということになるだろう.「あまちゃん」がBSで再放送されたため、こちらも見始めたが、朝ドラ二作並行視聴はキツイ.9週目、約三分の一を終えたところで止まってしまった.

ドラマというのは、途中で主人公が危機的状況に陥るものの、本人の奮闘努力で、あるいは周囲の人の助力を得て、もしくは幸運に恵まれ、危機を回避し幸せになって大団円を迎えるもの.危機的状況が苦しければ苦しいほど、最後の幸せでカタルシスを得ることができる.

小説でも映画でも同じだが、映画なら二時間見ていれば終わりになる.小説も先が気になるなら一気に読んでしまえばいい.一方テレビドラマの場合、次の日にならなければ続きは見られない.金曜日の続きは翌週まで待たなければならない.気になる展開があると待つのがつらい.

「カムカムエヴリバディ」は、ドラマとしてとても優れていたことは言を俟たないが、魂を揺さぶられ過ぎて、体力を物凄く消耗した.朝っぱらからこんなものを見せられたら、一日仕事にならない.それで、録画して夜見るようにしたのだが、結局待ち切れなくて、朝になったらテレビを点けてしまう.朝ドラとはこんなに疲れるものなのか、こんなのが二作、三作と続いたら身体が持たないと思った.

「舞いあがれ」は、悪い人は出て来ず、深刻なシーンはほとんどない.それでいて感動する場面はあちこちにあり、穏やかに見ることができた.舞の父が死んだ時はショックで、なにも死なせなくてもと思ったが、せいぜいそのくらい.ばんば(祥子)は途中で死ぬのではないかと不安だったが、最後まで元気だった.柏木との別れやこんねくとのビジネスなどは描写が甘く、そのことに対する批判もあったが、深く描けば鬱展開になりかねないから、あれでよかったのだ.毎日見るものだから、穏やかに見られることは重要だ.

今期の「らんまん」も基本的には楽しい話だ.ヒサが死んだのは残念だったが、始まってわずか一週間だったからさほど感情移入しておらず、自分としては別に残念ではなかった。タキの死もあったが、こちらは残念ではあったけれど、成長した孫に囲まれて天寿を全うするという幸せな死であり、悲しさより満足感が勝った.ちょっとした苦しい展開は何度もあったが、ほとんどの問題は一週間で解決し、穏やかな終末を過ごせるように配慮されていたのもよかった(この点は「舞いあがれ」も同様).

ところが、先週末から苦しいことが畳みかけるように起きている.そもそも先週末に問題が起き、なぜ週の終わりにと訝しんだが、今週に入っても問題は解決するどころか、序の口に過ぎなかったことを思い知らされることになる.恐らく万太郎にとって、本ドラマ最大の危機を迎えているのだろう.これを撥ね退けるような事態がいずれ起きるとは思うが、それは来週か、再来週か.それまでにさらに厳しいことが起きはしないか.

たかがドラマとはいえ、よく出来ているだけに、主人公のつらいシーンは見ている方もつらい.寿恵子の明るさが救いだ.