Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

三回ルール

その昔、まだ20代の頃.

ちょっと素敵だと思っている女性がいた.お付き合いがあって、顔が合えば仲良く雑談もする間柄だ.ある時、思い切って食事に誘ってみた.ごめんなさい、今仕事がとても忙しくて、時間がないの.じゃあ仕方ないですね、また折を見て誘ってみます.

季節が変わった頃、また誘ってみた.仕事だったか家の用事だったか、理由は忘れたが、とても時間が取れないと、申し訳なさそうな返事が返ってきた.さらにしばらくして三たび誘ったが、同じ結果.

ある時、友人とたまたまその話題になった.彼女はずっと忙しいみたいなんだよと、経緯を話すと、友人は驚き、あきれてこう宣わった.それは忙しいんじゃなくて、お前に会いたくないんだよ.そのくらい察しろよ.

えっと息を呑んだ.自分は、彼女の言うことをその通り信じ、よほど忙しいのだろう、季節が変わったらまた連絡してみようかと馬鹿正直に考えていたのだ.確かに言われてみればそうだ.あなたとは二人で外出したくありません、とは口にしにくい.だから「忙しい」なのか.

しかし、出かけるのは構わないが、本当に忙しい、ということもあり得るだろう.その区別はどうしたらいいか.そこで自分は「三回ルール」を自分に課した.三回連続で断わられたら、理由はどうあれ、それは脈がないということ.それ以上は迷惑だからやめる.嫌で断わる側からしたら、一回でわかってほしいかも知れないが、そうでないこともあるから、三回までは許容してほしい.

その後の何十年かを過ごしてみて、自分だけでなく他の人の話なども慮るに、三回ルールはまず妥当なラインではなかろうかと考えている.


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