小学6年生の時に、友人から、何百年も前のことがどうしてこんなに詳しくわかるのか? 誰かの作り話を信じ込まされているだけなのではないか? と言われて驚いたことを書いた.
この説明をする前に、重大な誤解を解いておかなければならない.
小学生が触れる「歴史」は、小説か、漫画か、ドラマである.歴史書や専門書を読むことはない.唯一読む「専門書」は教科書だが、登場人物(歴史上の重要人物)のエピソードなどは書かれていないから、読んでいて面白くない.
小説も漫画もドラマも面白いなら結構だ.それで歴史への興味が開かれるなら、なお結構だ.しかしこれらはあくまで創作物である.ある程度は史実に基づいているであろうが、それがどの程度かは作者の力量次第.正確さは保証されない.
そもそも何年何月何日に誰と誰が会ったことが仮に史実だとしても、そこで具体的にどのような言葉がかわされたのか、どのような衣服を着ていたのか、わかるわけがない.動画を撮影していたわけではないのだから.そこは制作者側の想像で埋めていくわけだ.
小学生の頃はそれがわからず、なんでこんな細かいことまでわかるのだろう、と思っていた.それは単純な誤解だ.わかっていたのではなく、創作していたのだ.
小学生が誤解するならかわいいものだが、大河ドラマの感想スレなどを眺めていると、大人でもこの区別がついていない人がいる.史実でなくてもドラマでは許容される.ドラマで史実は語れない.両者は別物なのだ.
Pete LinforthによるPixabayからの画像