Adminではないけれど [隠居生活編]

主に無職の身辺雑記、たまに若い頃の自慢話。

年賀状考

年賀状はなるべく多くの人に出したいと思っていた.学生時代は100枚前後、20代半ばで180枚くらい出していたように記憶する.返事が来るのは半分以下だが、そういうものだと割り切った.印刷していたが、活字は使わず手書き文字で近況報告を細々と記した.イラストも添えた.今風に言うと、年に一度更新するブログのようなもの.「いいね」の数は少なくてもインプレッション数は多い方がいい.

20代の後半から仕事が急激に忙しくなり、いろいろと面倒になって数はどんどん少なくなった.それでも30代はまだそこそこ出していたが、40代になってから、年賀状を出すのをやめてしまった.来た人にだけ返事を出していた時期もあったが、それも変なので一切やめた.それでも毎年送ってくださる方がわずかとはいえいたのだから、ありがたいもの.人がくれるのは嬉しいのだ.

そのうちに知人の連絡先がどんどんわからなくなっていった.同じ職場の人間でもなければ、そうそう頻繁に会うことはない.それでも縁を持っていたいという人は多くいる.何かあった時に連絡が取れればと思っていても、人は会社を変わることがあるし、引っ越しをすることもある.手帳にメモしただけの連絡先は、日が経つにつれてどんどん信頼性が失われていく.

年賀状のやりとりをしていれば、住所は確実につかんでいることになる.引っ越しをすればわかる.人によってはメールアドレスや携帯電話の番号を記載してくださる方もいる.文面から、結婚したとか、子どもが生まれたとか、その他おおよその近況もわかる.こういう淡いつながりが大事なのではと感じるようになったのだ.

それで数年前から、また年賀状を始めた.送りたいが、連絡先がどうしてもわからない人もいた.その後、何かの縁でわかることもあるが、連絡を取りたいのに今でも連絡がつかない人もいる.

今年はまた、これまで何十年も連絡を取っていなかった人6人に新たに年賀状を出した.全員の手許に届くかどうか、宛て先不明で返って来るものがあるのではないか.亡くなられている人もいるのではないか.それを考えると怖いが、事実なら知っておいた方がいい.返事を下さる方もいるだろうと、それを楽しみにしておく.


Anna LarinによるPixabayからの画像